こんな疑問がある方のために、記事を書きました。
ショートカバー?踏み上げ?
ショートスクイーズ??
という方へ向けて記事を書きました。
2021年にゲームストップ(GME)などのミーム株〔1〕で個人投資家の大量注文による、機関投資家の損害を起こした件で、『ショートスクイーズ』という用語が投資家に浸透しました。
〔1〕:ミーム株とは、SNSなどで大きく注目が集まった銘柄のことで、短期間で急激に株価が上昇する特徴があります。
今回の記事は、“ショートスクイーズ”を含め“踏み上げ”、“ショートカバー”について解説します。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
ショートスクイーズとショートカバー
ショートカバーとは
ショート(空売り)ポジションを決済(買戻し)する事をShort Coverといいます。
空売りを行っている投資家は、想定と異なった要因が発生した時や、利益を確定させる目的でショートポジションを買い戻す(解消する)ことが行われます。
これをショートカバーと呼ばれています。
FX市場では、金利が”逆スワップ”〔2〕となり金利を払う状態になった時に、ショートカバーが起きやすくなります。
〔2〕:逆スワップとはスワップポイントがマイナスの状態で、これまで外貨に換えると金利がついていた場合、逆に金利を払わないといけなくなる事です。
ショートスクイーズ(踏み上げ)とは
投資家のポジションの多くがショートに傾いている時に、下落から一変して急騰することを言います。
『空売り』のポジションを持っている投資家は、損切りラインを引いています。空売りに対する損切りラインは空売り時点の価格より高値で設定されています。
反発が大きければ、投資家の損切りの注文が実行され、価格が上昇し、その上昇により他の投資家のポジションも決済が行われる。
つまり『連鎖』していくため、短時間で株価が急騰する事となります。
この急騰は、企業の業績や市場環境などの理由によって上昇するのではなく、市場参加者によって意図的に押し上げられます。
理由がない”急反発”が発生したら多くのショートカバーが解消されたって認識ですね!
ちなみに、ショートスクイーズ(Short Squeeze)を日本では『踏み上げ』と言います。
ショートスクイーズの仕組み
ショートスクイーズはショートカバーの損切りとなる局面で起きます。
空売りのポジションを抱えた投資家が増えると、それだけ決済する(買戻し)する量が増える事を意味します。
一度、チャートが転換した時に一部の投資家が『損切り』を行うと、更に株価が上昇して他の投資家の損切ラインに到達します。
そうやって、買いが買いを呼ぶ連鎖が始まります。
とりわけ、“移動平均線” や “抵抗ライン” 付近に『損切り』を設定している投資家が多いため、この値を割ると一斉に買い戻しが実行されやすくなります。
特に大口投資家が損切りを行うと、大きな出来高が伴うため、上昇がエスカレートしていく可能性があります。
ショートスクイーズの特定方法
ショートスクイーズが起きる可能性を特定する手段は、『空売り残高』と『空売り比率』となります。
空売り残高は “売り残”(Short Interest)といわれ、この数量が多いほど、買戻しする(決済)量が多い事を意味します。
“空売り比率”(Short Interest Ratio)とは、空売りされた株式総数を日ごとの平均取引数で割った比率となります。
この数値は単体では意味を成しませんが、過去と比較する事で現在どういった傾向になっているのかが読み取ることが可能となります。
過去と比較して、ショートの割合が大きい場合で、特に “仕手株” や時価総額が小さい “中小型株” などがショートスクイーズに発展するケースは、珍しくありません。
米国の空売り比率を無料で見るサイトはこちらから飛べます。
注意点
『ショートスクイーズ』を狙った投機戦略は“ギャンブル”要素が大きいです。
理由は、そもそも空売りが多いという事は、ネガティブな事象や環境が起きた事にほかならないからです。
そのため、仮にショートスクイーズで短期的な上昇が起きたとしても、ショートカバーが一巡して、空売り残高が過去の平均値と同じ割合に戻ると、再度株価が低迷しやすいと言えます。
ショートスクイーズはギャンブルと言われるのは、突発的な事象で短命であることが背景にあります。
ショートスクイーズは『線香花火』みないなもの
投機にチャレンジする場合は、上昇しきる前に『購入』と『売却』まで実行する必要があります。
専業投資家でもない限り、情報を素早くキャッチして、株価が大きく下落する前にポジションを解消するのは『至難の業』となります。
過去に起きた事例
2021年に『Reddit』(レディット)という米国の掲示板(日本の2chのような掲示板)に、個人投資家によるショートスクイーズを呼び掛けた投資家がいました。
この呼びかけに、コロナ禍の給付金を得た多数の若者が、手軽に株取引が行える投資アプリ『ロビンフッド』で、ゲームをする感覚で取引が熱狂したことにより生じました。
舞台となった企業はゲームストップ(GME)です。
ゲームストップ(GME)
ゲームストップはゲームの小売店です。同社はインターネット普及によるゲームのオンライン化が進む背景の中、業績が低迷していました。
同社の株は、ヘッジファンドから大量に空売りが行われ、株価は低迷していました。
2021年1月にレディットで同社の株を買い上げの呼びかけに、多数の投資家が応じたため、株価は急騰し、空売りを行っていたヘッジファンド(メルビン・キャピタル)が大損失を出しました。
ショートスクイーズに成功しても途中からの参加者は、損失に巻き込まれる恐れがあります。
株価が上昇している時の出来高は大きいですが、それと比較して下落している時の出来高は小さいため、売り逃げ出来なかった方も一定程度いるであろうと推察できます。
レディットで「一緒に買おう!!」と呼び掛けている間に売り逃げしている者が一番利益が得られるような、裏切りのゲームの様相を呈しています。
まとめ
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
関連記事
米国株の『空売り比率』を無料で見れるサイトを解説しています。
オプション取引について解説しています。
レバナスの今後について解説しています。レバナスはありなのか?
米国人が好きなラインについて解説しています。
情報の取得時に気を付けたい『認知バイアス』についてこの書籍をオススメしています
コメント