未分類節税

徹底解説!労働者のための『健康保険の扶養』について

未分類

こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

ぜんきち
ぜんきち

両親を”健康保険”の扶養に出来るの?という疑問がある方へ向けて記事を書きました。

扶養には2種類あります。1つ目は『税法上の扶養』2つ目は『健康保険の扶養』です。

この2つの扶養はそれぞれで、”扶養”とするか選択が可能です。

『健康保険の扶養』では、場合によっては経済的な負担が増加するケースもありますので、注意が必要な所です。

今回の記事は、対象者を扶養に入れた場合における、負担額を比較します。

記事が、タメになったと思われたら、“SNS”“リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。

Check Point
  • “別世帯”の場合は健康保険の扶養を検討する価値が十分あり。
  • “同一世帯”では、被扶養者が”健康”もしくは”課税対象”の場合に検討する価値があり。
スポンサーリンク

健康保険の種類

健康保険の種類
  • 健康保険
    一定規模の労働者がいる企業に働く方が加入している
  • 国民健康保険
    “自営業者”や小規模の”企業”で働く人が加入する

健康保険

社会保険の一部となっているため、正社員であれば5人以上の企業に勤めているかたや、パートなどの非正規社員でも一定規模〔1〕の労働者がいる企業に勤めている方は加入しています。

所属する企業の団体で健康保険組合があり、そこで加入の条件が規定されています。

〔1〕:現在は501人以上の企業で加入義務され、その後段階的に義務化範囲が増加
2022年10月から101以上の企業で義務化。
2024年10月から51人以上の企業で義務化。

国民健康保険

先述した健康保険に加入していない方が加入する必要がある保険です。生活保護を受けている方以外全員が加入しています。

基本的に自営業の方となりますので、こちらの記事では詳しく解説しません。

国民健康保険料-新宿区はこちら

社会保険って何?

正社員や一定条件を満たした非正規社員が、労働先の会社を通じて“全国健康保険協会”“各健康保険組合”が運営している社会保険に加入します。この社会保険の中に健康保険が含まれています。

社会保険の詳細
  • 健康保険
    (医療サービスで支払うお金の源泉)
  • 雇用保険
    (退職時に貰えるお金の源泉)
  • 厚生年金
    (就労時から退職するまで支払う※70歳まで)
  • 介護保険
    (40歳から保険料が新たに発生)

健康保険扶養の3条件

【別居の要件】
本人から見て姻族は入っておらず、“配偶者”“血族の2親等”“曽祖父母”を加えたものが対象者となります。

扶養にする条件
  • 3親等以内
    【別居条件】
     ”配偶者”、”血族2親等”、”曽祖父母”
  • 収入基準
    60歳未満:130万円
    60歳以上:180万円
    ※別居条件あり
  • 75歳未満

※各健康保険組合の規定が別にある場合があります

加入条件の詳細

扶養へ入れる条件の詳細は、別の記事で詳しく書いていますのでリンクからお願いします。

メリット・デメリット

メリット・デメリット
  • メリット
    被扶養者の”国民健康保険”の支払いが無くなる
  • デメリット
    “高額医療費”の限度額が扶養者の収入で定まる
    他にも、“同一世帯”となると経済的な負担が増加するケースがある

メリット

扶養者の健康保険料が増えずに、被扶養者の健康保険料が発生しなくなるということです。

もし、扶養に入らなければ、前年の収入に応じて国民健康保険を負担する必要があります。

デメリット

“別世帯”“同一世帯” で増加する負担額が変化します。簡単に言うと、同一世帯となる方が負担の増加となります。

この記事では、要点に絞って記載します。デメリットの詳細は別の記事で詳しく書いていますのでリンクからお願いします。

高額医療の負担が増加

医療費用が一定額以上発生した場合に、収入額によって負担額が変化します。

被扶養となった場合には、負担額が扶養者の年収から算出されます。

年齢区分 所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額
3ヶ月以上の負担
75歳未満 年収約1,160万円以上
(健保:標準報酬月額83万円以上)
252,600円+
(総医療費※1-842,000円)×1%
140,100円
75歳未満 年収約770~約1,160万円
(健保:標準報酬月額 約53~83万円未満)
167,400円+
(総医療費※1-558,000円)×1%
93,000円
75歳未満 年収約370~約770万円
(健保:標準報酬月額 約28~53万円未満)
80,100円+
(総医療費※1-267,000円)×1%
44,400円
70歳未満 年収約370万円以下
(健保:標準報酬月額28万円未満)
57,600円 44,400円
70~75 住民税非課税~年収約370万円未満 通院 個人単位(18,000円)
入院など世帯単位(57,600円)
44,400円
70歳未満 住民税非課税 35,400円 24,600円
70~75 住民税非課税 通院 個人単位(8,000円)
入院など世帯単位(24,600円)
24,600円
70~75 世帯で控除や経費を引いた所得が無い 通院 個人単位(8,000円)
入院など世帯単位(15,000円)
15,000円

※1: 総医療とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。
出典:全国健康保険協会 のデータ加工

同一世帯のデメリット

“同一世帯” となると先述した高額医療制度の負担に加え、『介護サービス関連』の負担額が増加します。

同一世帯のデメリット
  • 介護保険料の増加
  • 介護サービス費の限度額増
  • 介護施設諸費料の増加
介護保険料の増加

各健康保険組合により異なりますので、参考として添付します。

同一世帯となると世帯単位で住民税非課税の枠から外れます

課税対象 年金収入額 月額 年額
本人:課税 230~299万円 約7,800円 約94,000円
本人:課税 ~229万円 約7,200円 約87,000円
世帯:課税
本人:非課税
80万円超 約6,000円 約72,000円
世帯:課税
本人:非課税
~80万円 約5,400円 約65,000円
世帯:非課税
本人:非課税
120万円超 約4,200円 約50,000円
世帯:非課税
本人:非課税
81~120万円 約3,000円 約36,000円
世帯:非課税
本人:非課税
~80万円 約1,800円 約22,000円

※参考値となります。

介護サービス費の限度額増加

介護を受けた場合、月々利用者負担額〔2〕の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が支給されます。

同一世帯となると世帯単位で住民税非課税の枠から外れます

所得区分 負担限度額 
個人 世帯
年収約1,160万円
(課税所得690万円)
140,100円
年収約770~1,160万円
(課税所得380~690万円未満)
93,000円
年収約770万円未満
(住民税課税世帯~課税所得380万円)
44,400円
世帯の全員が住民税非課税で、
被扶養者の年金収入等※1が80万円超
24,600円
世帯の全員が住民税非課税で、
被扶養者の年金収入等※1が80万円以下
15,000円 24,600円
生活保護を受給している方等 15,000円 15,000円

※1: 年金収入等は、本人の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計額
出典:厚生労働省 のデータ加工

〔2〕:利用者負担額は福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除きます。

介護施設諸費用の増加

デメリットの中で一番負担額が大きくなるものです。

同一世帯となると世帯単位で住民税非課税の枠から外れます

段階
対象
食費
(ショートステイ)
住居費
ユニット型個室 ユニット型多床室 従来型個室 多床室
4 世帯:課税 4.4万円
(4.0万円)
6.1万円 5.1万円 3.6万円 2.6万円
3-② 世帯:非課税
本人:所得金額120万円超
4.1万円
(4.0万円)
4.0万円 4.0万円 2.5万円 1.1万円
3-① 世帯:非課税
本人:所得金額80~120万円
2万円
(3.0万円)
同上 同上 同上 同上
2 世帯:非課税
本人:所得金額80万円以下
1.2万円
(1.8万円)
2.5万円 1.5万円 1.3万円 1.1万円
1 世帯:非課税
本人:老齢福祉年金受給者または生活保護者
0.9万円
(0.9万円)
2.5万円 1.5万円 1.0万円 0円
注意したい預貯金事項

注意したいのが、介護サービスの限度額には各段階毎に預貯金など〔3〕の金融資産額によって適用されるか個別に判断されます。もし、資産額が適用以上となれば、段階が『4となります。

〔3〕:金融資産には、預貯金・株式・投資信託・金銀が含まれます。

段階 対象 預貯金等
4 世帯:課税 なし
3-② 世帯:非課税
本人:所得金額120万円超
単身500万円以下
夫婦1,500万円以下
3-① 世帯:非課税
本人:所得金額80~120万円
単身550万円以下
夫婦1,550万円以下
2 世帯:非課税
本人:所得金額80万円以下
単身650万円以下
夫婦1650万円以下
1 世帯:非課税
本人:老齢福祉年金受給者または生活保護者
単身1,000万円以下
夫婦2,000万円以下

“医療費”と”介護費”が発生した場合

“医療費”と”介護費”を合算した金額においても上限が設定されています。こちらについても、”同一世帯”とする方が負担が大きくなります。

この限度額を超えた分について申請する事によって、返金されます。

<高額医療・高額介護合算制度>【年額】

  70歳以上※1 70歳未満※1
年収約1,160万円以上 212万円 212万円
年収770~1,160万円 141万円 141万円
年収370~770万円 67万円 67万円
年収156万~370万円 56万円 60万円
世帯:住民税非課税
本人:年収80万円超
31万円 34万円
世帯:住民税非課税
本人:年収80万円以下
19万円※2 34万円 

※1:対象世帯に70~74歳と70歳未満が混在する場合、まず70~74歳の自己負担合算額に限度額を適用した後、残る負担額と70歳未満の自己負担合算額を合わせた額に限度額を適用します。
※2:介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円となります。
※:75歳未満は介護保険+被用者保険または国民健康保険、75歳以上は介護保険+後期高齢者医療

負担額の試算

健康保険の扶養に入っていない時には、”国民健康保険”を払う必要があります。

国民健康保険は各自治体によって金額に差がありますので、ここでは全国平均を参考値として記載します。

<39歳以下、65~74歳の単身世帯(月額)>

年収額 年間保険料 月額平均
200万 約144,000円 約12,000円
400万 約282,000円 約23,500円
1000万 約773,000円 約64,500円

※世帯人数による負担増は加味していません

<40歳~64歳の単身世帯(月額)>

年収額 年間保険料 月額平均
200万 約176,000円 約14,500円
400万 約342,000円 約28,500円
1000万 約933,000円 約78,000円

※世帯人数による負担増は加味していません

高額医療制度の負担

医療費の負担増加については、“別世帯” “同一世帯” 関係なく負担が増加します。

>負担額の比較

扶養者:年収500万円、被扶養者:68歳 年収200万円
 扶養に入れる➡負担上限80,100円
 扶養に入れない➡負担上限57,600円
 その差:22,500円

医療費の総額によりますが、負担額は2万強の増額となります。

別世帯の扶養

扶養としなかった場合には、国民健康保険額を納める必要があります。この費用が全国平均額で年間約14万円となります。

別世帯の場合は、高額医療となった場合のみで、負担額が増加する可能性があります。

万に一つの負担が増加しても、国民健康保険と比べて少ないため、ご両親が健康であれば『健康保険の扶養』への加入を検討しても良いと思います。

同一世帯での扶養

“同一世帯”の負担増加の中で、介護施設における食費・住居費の負担額増加が負担として一番大きくなります。

それ以外には、“介護保険料の増額”“介護サービス費の限度額増”そして、“医療費と介護費合算の限度額増” があります。

料金の差額

<被扶養者の年収180万円>【月額】

扶養者の年収 介護保険料
(約8.7万円との差額)
介護サービス限度額
(約4.4万円との差額)
特別養護老人ホーム 住居:多床
(食費4.4万円、住居2.6万円 月額)
高額医療介護合算の限度額
(60万円との差額)
[上限額]
770~1,160万円 差額なし 48,600円 差額なし
81万円[141万円]
370~770万円 差額なし 差額なし 差額なし
7万円[67万円]
156~370万円 差額なし 差額なし 差額なし
差額なし[60万円]

<被扶養者の年収100万円>【月額】

扶養者の年収 介護保険料
(約5万円との差額)
介護サービス限度額
(約2.4万円との差額)
特別養護老人ホーム 住居:多床
(食費4.1万円、住居1.1万円 月額)
高額医療介護合算の限度額
(34万円との差額)
[上限額]
770~1,160万円 12,000円 68,400円 34.8万円
107万円[141万円]
370~770万円 12,000円 19,800円 34.8万円
33万円[67万円]
156~370万円 12,000円 19,800円 34.8万円
26万円[60万円]

<被扶養者の年収80万円>【月額】

扶養者の年収 介護保険料
(約2.2万円との差額)
介護サービス限度額
(約2.4万円との差額)
特別養護老人ホーム 住居:多床
(食費1.2万円、住居1.1万円 月額)
高額医療介護合算の限度額
(34万円との差額)
[上限額]
770~1,160万円 43,000円 68,400円 44.4万円
107万円[141万円]
370~770万円 43,000円 19,800円 44.4万円
33万円[67万円]
156~370万円 43,000円 19,800円 44.4万円
26万円[60万円]

被扶養者の収入毎の差額を見ると、被扶養者が “住民税課税対象” の場合には、健康保険の扶養に入れた方が経済的に有利となる事が分かりました。

そうでなければ、被扶養者の年収額が少ない方が、介護を受けた時の負担の差が大きく開きます。

試算の結果

次の表は「〇」が健康保険の扶養を検討しても良い、「✖」は扶養にすると負担が増えることがある場合です。

  別世帯 同一世帯
被扶養者が健康
被扶養者が課税
(65歳未満103万円以上)
(65歳以上153万円以上)
被扶養者が非課税
(65歳未満103万円未満)
(65歳以上153万円未満)
被扶養者の介護が必要
被扶養者が不健康

まとめ

負担額を試算したところ、”別世帯”となっていた方が賢いのが判明しました。

別世帯で『健康保険の扶養』とするための条件の中では、被扶養者が60歳未満の収入が130万円、60歳以上で180万円。そして、”仕送り額”より収入額が少ない事が条件となります。

“同一世帯”で被扶養とする場合は、被扶養者の年収が住民税課税対象となる大きいか、介護とならないくらいに元気な事が必要条件となります。

  • “別世帯”の場合は健康保険の扶養を検討する価値が十分あり
  • “同世帯”は被扶養者が介護サービスを受けはじめると負担が増える
  • “同世帯”の検討ラインは『健康』又は被扶養者が元々『課税対象』の場合に検討する価値があり。

記事が、タメになったと思われたら、“SNS”“リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。

共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!

関連記事

健康保険を扶養とする条件について詳しく解説しています。

定年退職時に、健康保険を扶養とすると節税出来る内容について詳しく解説しています。

健康保険扶養のメリットとデメリットについて解説しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました