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全世界株には4%ルールが通用するのか?

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引退後に資産をどれくらい取り崩しても大丈夫なの?

全世界株で資産を延命して取崩額はいくらか?

資産運用をしている方、全員が資産の取り崩しについて考えないといけません。

しかしながら、資産の取り崩しの額に『一定の目安』がないと「資産が枯渇するのではないか…」と言う不安が大きくなり、引退後を楽しく過ごすことができせません。

実は、この疑問については米国の研究結果で解決しています。

投資初心者がまず行う、資産運用に『全世界株投資』『米国株投資』が推奨されています。先述した検証結果は投資対象を米国株としています。

最近になって、検証対象を『全世界株』としている研究が公開されました。

資産を長引かせることができる取崩率を知ることで、引退後に『世界一周旅行』など、元気な内にお金を有意義に使うことができます。セカンドライフを楽しむための一助になれば嬉しいです。

記事のまとめ
  • 全世界株の取崩率は3%が限界
  • 暴落時の備えは「貯金・リバランス」
  • 投資先の変更は譲渡益を考慮

もし、参考になったと思われたら、友人や親戚に “SNS”“リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。

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2つの4%ルールについて

4%ルールとは
貯金を4%で取り崩した場合、25年で資産が全て枯渇します。しかし、株式などの資産から4%引き出すことで高確率(95%)で30年以上枯渇することなく取り崩せる引出率のこと。

つまり、4%ルールは米国株を含んだポートフォリオを組むと、30年以上資産を保たせるためには取崩率が4%が限界だと判明しています。

ちなみに、この4%ルールは2種類ありますが、ここでは全世界株における「定額法」で資産の取崩が成功するのかを解説します。

ちなみに、米国株式の2つの4%ルールについてはこちらで解説しています>>米国株式における2つの4%ルール

4%ルールの定額法とは?

定額法ってなんだったけ?

ぜんきち
ぜんきち

引退時に取崩額を決める手法です

\定額法の解説/

引退時の資産額より4%づつ資産を取り崩すと通常25年で資産がなくなる計算ですが、株式などのリスク資産へ投資することで30年経っても資産が枯渇しない引出方法です。

取崩率4%の計算式
【引退時の資産3,000万円】
・3,000万円×4%=120万円
➡120万円×30年=3,600万円
➡30年目に120万円引き出すことができれば成功
※インフレ率考慮必要
※為替考慮必要

4%を用いて逆算すると、1年の支出額の25倍の資産を保有すれば、資産を取り崩すだけで生きることができる。つまり、引退後にゆとりを持って生活することが可能となります。

ただし、運用資産の備えも必要です。それについてはこちらを参照ください>>4%ルール暴落時の備え

この4%ルールは米国株への投資が前提で行われていますが、次に全世界株における場合はどうなるのかを紹介します。

  • 定額法とは引退時に取崩額を決定する

全世界株は『3%ルール』で成功

全世界株の場合、過去に30年以上資産を保つことができた取崩率は「3%」となります。

この研究結果は、2021年に発表されたもので、1900‐2019年の120年間の調査から算出されたものです。

全世界株の4%ルールの成功率73.6%【図解】

下の赤枠は、1900年からの120年間の調査期間うち、30年分の資産が取り崩せなくなった失敗率を記載しています。

IWRが取崩率になります。(左:全世界、右:米国)

\タップで拡大/
出典:The Sustainability of (Global) Withdrawal Strategies
画像の解説
・列:取崩率
・行:株式の割合
・値:成功確率
※インフレ率考慮済み
※為替考慮必要

日本語版は?

ぜんきち
ぜんきち

成功率表記にした日本語版はこちらです

上のデータを成功率に変えたのがこちらの画像です。

\タップで拡大/
出典:The Sustainability of (Global) Withdrawal Strategies
注意
・売却時の税金(20.315%)が考慮されていない
・手数料売却に伴う手数料が考慮されていない
・為替が考慮されていない

米国株の成功率が別の記事のトリニティスタディの結果と異なっているのは、調査期間が異なることで起きた変化です。

この結果から、全世界株は取崩率を4%とした場合4回に1回は失敗というギャンブル的な成功率となります。

引退後の安心できる取崩率
  • 株式比率60%以上
  • 取崩率3%以下
  • 全世界株は3%ルールで取り崩し

暴落時の備え(全世界株投資で資産を保つ方法)

全世界株投資の研究結果で株式60%、引出率を3%とすると、失敗する確率が30人中1人と1クラスに1人が失敗する確率となります。

絶対に失敗したくない…

ぜんきち
ぜんきち

成功の秘訣は3つあります

成功の秘訣
  • 株式の暴落に備える
  • 株式比率を高める
  • リバランスを適宜行う

株式の暴落に備える

株式の暴落に備えるために、3年分の現金を持つことが必要です。

現金を持つって元も子もない…

ぜんきち
ぜんきち

暴落時に引き出さない余裕が必要です

暴落時に資産を売ることは許されません。これは、積立投資の鉄則ですが、引退後も同じ理論です。

また、3年分としたのには理由があります。

\全世界株の下落期間/
出典:tradingview

全世界株式指数(ftse all-world index)ができてから歴史が浅く、約15年前からの振り返りとなります。

全世界指数が低迷を続けたのが約3年です。この3年の内、50%の下落が続いたのが1.5年となります。

しかしながら、米国株も概ね同じ期間下落していましたので、米国資産と同様に3年間耐える現金を持って置くのが資産を長引かせるのに必要となります。

3年分も現金は無いよ…

ぜんきち
ぜんきち

そんな時はお金を稼ぐスキルを身につけましょう

実は現金がなくとも、働きに行ける「スキルがある」方や「自営業」で培った儲け方を知っている方であれば、現金を生み出すことができます。

今はそうでなくとも、副業などで稼ぐ力を身につけておくのは、引退後にあなたの資産を守るクッションとなります。

  • お金を稼ぐスキルを身につける

資産の取り崩し率を減少させる

貯金や副業以外の手はないの?

ぜんきち
ぜんきち

引出率を減らすが確実な方法です

取り崩し率を2%へ減少させるだけで成功率が100%に上がります。そのため、暴落時には取り崩しを1%下げると良いでしょう。

\タップで拡大/
出典:The Sustainability of (Global) Withdrawal Strategies

定率法による予防

取崩率を下げる方法と近い考えになりますが、「定率法」を暴落時に用いることも妙案です。

暴落時に定率法を用いるメリット
  • 暴落がいつまで続くか分からない
  • 資産が必ず残るという安心感

全世界株は歴史が短いため、恐慌時代における定率法の強さを検証する事はできません。この辺は、正の相関性の高い米国株の検証結果が参考になります>>米国株の恐慌時代の定率法

米国株の大恐慌時代に定率法を行った結果は資産が枯渇することなく、元本に回復した歴史があります。

米国株より分散した全世界株も同様なことが言えると考えています。

  • 歴史上、定率法で失敗したことがない

引き出し時のリバランス

引き出し時のリバランス?

ぜんきち
ぜんきち

リスクを大きく取らないような作戦です

資産を長持ちさせるためには、始めに予定していた“株”と”債券”の比率が極端に偏らないようにする必要があります。

リバランス時は、どちらかの資産価値が多い側を取り崩すのがベストです。

\リバランスの例/

引出額を工夫するだけで、引退時に想定したリスク以上の資産の減少を防止することができます。

POINT
株式の比率を60%以上に保つのがコツです。(成功確率の上昇はこちらの画像を参照ください)

過去の動きを見ると、債券と株は多少の“負の相関性”があります。>>債券と株価の相関について

負の相関とは:株が下がった時に債権が高くなり、逆に債権が高いと株が安い傾向があることが分かります。

この関係を利用して、株が高い時に債券の売る割合を減らし、その分株を多く売り、債券を買い増しすると上手くリバランスができます。

\リバランスの例/

下落して、割安となった資産を買い増しするので、リターンが上昇する可能性が高くなります。

  • リバランスでリスクを大きくしない

全世界から米国株へ投資を切替する注意点

じゃあ米国株に変えようかなぁ

ぜんきち
ぜんきち

思いつきで変えるのは早計です

あなたが、全世界株へ投資を始めたのには理由があると思います。その理由を思い出してください。

こちらの記事で全世界株と米国株の比較をしています>>全世界株VS米国株

  • 全世界に決めた初心を振り返る

売却時の課税

既に全世界株へ投資している場合、投資先を変える場合には一度、現金化(売却)する必要があります。

現金化してしまうと、利益に対して20.315%の譲渡税が発生します。この譲渡税が資産運用に大きなマイナスとなります。

\売却時の課税イメージ/

う…買い直すとダメなのか…

ぜんきち
ぜんきち

生涯の投資額により異なります

早期売却が有利な方
  • 生涯資産運用額が1800万円未満
  • 課税口座での利益が大きくない方
  • 引退後で投資資金が少ない方

基本的には課税口座から新NISAへ移した方が得になります。その方法は後述しています。

  • 一般的には売却して新NISAへ

生涯の投資資金が1,800万円程度の場合

2024年から新NISAが始まります。この新NISAの上限が1,800万円となりますので、この課税額内で投資する場合、『複利』を考えると早く投資した方が有利です。

早期投資メリット
  • 複利運用効果
    早く投資するとメリットがある
  • NISAによる節税効果
    資産増加額に対する非課税制度

この早期投資メリット『売却時の譲渡税』のどちらが大きいのかにより、米国株の売却を行った方が良いか判断が変わります。

\利回り5%の複利効果/

例えば、課税口座で300万円あるとすると、その額を売却しNISA口座へ早く投資することで、「複利運用」効果が大きく「節税」効果を高めることができます。

投資予定資産が大きければ大きいほど、新NISAの上限である1,800万円に早く到達するため、1,800万円到達後に結局、課税口座で投資を継続することになります

夫婦で考えると新NISAの上限枠が3,600万円となりますので、一般的にこの一人1,800万円を目標とする方が多いように思っています。

  • 一般的には売却して新NISAへ

確定拠出年金(DC)やiDeCoの場合

iDeCoの場合は売却時に譲渡税が発生しませんので、売却して切替を行うことによる税金が課せられません。

注意
信託財産留保額が発生する投資信託の場合は解約時に費用が発生します。

確定拠出年金(DC)やiDeCoの保有投信を変えることを「スイッチング」と呼ばれたりします。投資先を変える時に、ほとんどの商品には解約手数料が発生しません。

しかし、一部の投資信託で「信託財産留保額」という手数料が発生する商品がありますので、交付目論見書から手数料がかかるか確認すると良いでしょう。

MEMO
<信託財産留保額なし>
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim S&P 500
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
  • 信託財産留保額なしはコストなし

投資予定資金が新たにない

年金暮らしなどで投資資金が増える見込みがない場合は、追加資金による運用を考慮する必要がありません。

そのため、新NISA枠である1年あたり360万円を上限に取り崩して投資を行なうことが最も合理的です。

  • 信託財産留保額なしでコストなし

課税口座の利益が20%以下の場合

課税口座で利益が大きい場合は譲渡益にかかる税金が大きいため、投資信託や株式の売却による損が生じるおそれがあります。

一方、元本割れをしていたり、含み益が小さい場合は売却して新NISAへ切替た方が有利になります。

含み益が20%の例
・資産総額:100万円(元本80万円、含み益20万円)
・20÷100=20%
  • 含み益が20%未満で売却有利

米国株へ変える最適解

なるべく非課税で米国株へ切り替える方法は2つの策を用います。

非課税で米国株へ変える策

全世界株から米国株へ変えるのに、譲渡税がかからない方法は、毎月の積立先を全世界株から米国株へ変える方法です。

この方法は、変える時のコストを考える必要がないため、初心者向きな策だと思います。

  • 積立投資先を米国へ切替

暴落時に米国株へ切替する

過去に投資した全世界株投資分については、暴落時の含み益が減った時に全売却して切替すると良いでしょう。

タイミングを計る必要があるのがデメリットですが、上手く行けば効果が大きいです。

タイミングの一例
・暴落は一旦反発する傾向
・暴落から反発を確認して切替する

暴落が起きなかったら

過去を振り返ると、超長期投資で暴落が起きないことは有り得ませんでした。

あえて、暴落がない場合を想像してみると、暴落をしなければ、結局資産が増えているからそれで良いです。また、暴落時の切替が上手くできなかったとしても、損失が増えるわけではありません。

こういった、上がってもよし!下がっても良し!というポジションで投資を行なうとメンタル的に非常に良い状態が保たれます。

  • 全世界株投資は取崩率3%で成功
  • 投資先変更はコストを意識する
  • 積立先を変えれば安定して投資可能

記事が、タメになったと思われたら、“SNS”“リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。

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