こんな疑問がある方のために、記事を書きました。
“積立”と”一括”ってどっちが良いの?
投資初心者はどっちが良いの?
という疑問を解決する記事を書きました。
積立投資が分散の一つの方法として、“時間分散”というリスク回避の方法として知られている一方、積立投資のデメリットを知り、一括投資を推奨している方もいます。
どっちが良いの??
初心者含めてオススメできる積立投資を推奨します
私が知人に推奨しているのが、万人におすすめできる積立投資を推奨していますし、私自身も行っている投資手法です。
今回は積立投資で取り上げられる”デメリット”と、”思慮深い積立投資の考え方”について解説します。
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理論的に有利なのは一括投資
過去のパフォーマンスを証左に米国株式指数に一括投資を選択するのが“理論的に”優れたリターンが見込めます。20年間の超長期投資で見ると米国株式指数の期待利回りが約6.2%と言われています。
上のキャプチャのように「事前に」上がっていく事を知っている、もしくは最終的に右肩上がりとなる投資対象は、一括投資が正解となります。
・投資経験が少ないと暴落に耐えきれない可能性がある
➡2003年に投資後2010年の暴落に巻き込まれると、動揺してしまう
投資経験が浅いと、新聞やnewsで暴落の記事を見た後に、自分の資産がどうなっているか気になり見てみると “▲数百万 損失” という資産を見て慌てて売却に走る可能性が高くなります。
つまり、一括投資に適している方は投資経験があって、ご自身の「リスク許容度」を理解している方のみが行い、それ以外の方は積立投資をすべきであるという事です。
一括投資と積立投資のメリット
こちらはバンガード社の見解になります。
一括投資 | 積立投資 |
・市場へ早く投資でき より早く資産運用ができる |
・大幅下落のリスクを最小限に抑える
|
・歴史的に株式は現金や債券よりも 高いリターンを示している。 |
・市場の自然な変動を利用し、
株式の平均取得単価を抑えられる |
・市場が上昇する時、早く投資をし ていた方が市場の成長を享受できる |
・投資後市場が低迷した場合、
精神的な後悔が避けられる |
先述した米国市場では、一括投資が良かった結果となりますが、米国市場でも「大恐慌」の差しかかった時に、一括投資をしてしまうと、20年間以上元本を回復することは有りません。
一方、積立投資の場合は、長い低迷期に株式を購入できるため、投資を始めた頃の水準まで戻らなくとも、元本を回復しています。
それは、レバナスにも同様な事が言えます。こちらの記事で積立と一括を比較しています。
レバナスとは:米国指数であるNASDAQ100の2倍の動きになるような指数に投資する投資信託のこと。NASDAQ100は米国のハイテクセクターが多くを占めています。
積立投資のデメリット
積立投資で良くあげられるデメリットは”超長期運用“と”積立投資終盤“についてです。
超長期間の運用では一括投資が勝る
確かに、15年以上株式市場に居続ける事が出来るのであれば、過去200年を振り返ると米国株式から得られるリターンがマイナスにならない事が判明しています。
積立投資の場合、上昇相場に弱いのが特徴で、ドルコスト平均法で取得単価を上げてしまいます。
また、一括投資であれば享受できた配当金が、積立投資にしたために受け取れないという不利益も起きます。
積立投資の終盤は一括投資と同じ
積立での購入を数年間に渡り行うと、月々の積立額が資産に及ぼす影響が限定的になります。
具体的には、毎月5万円ずつ積立を行うと、投資初期にはドルコスト平均法〔1〕で一株当たりの取得単価に大きく影響していきます。
しかし、10年後には元金600万に対して1%に満たない金額で買付をしても取得単価を下げる事が期待できません。
〔1〕:価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、時間を分散して定期的に買い付けする手法です
・毎月積立額:5万円
・最後の1ヶ月の影響:0.5%
➡株価が下落し955万円が半値の477.5万円となっても、たった5万円では効果が薄く、1,000万円の一括投資とほぼ同じとなる
初めから、一括投資すれば良かったのでは?
投資経験が長い投資家ほど、そう感じます
積立投資を行っても、累計額が大きくなると、一括投資とほぼ同じと言えます。
では、一括投資が良いのかというと、この理論には『人間の感情』や『投資経験』が考慮されていません。
経験と感情変化
【投資経験】
投資初心者が”一括投資”を行う事を、ドラクエで例えると「こん棒」で「デスピサロ」と戦う事と同じです。それだけ大きなリスクを取っています。
まずは、積立投資を行い『リスク許容度』『高値掴みを避ける』『相場に慣れる』この3つの事を実体験を通じて学ぶことが必要となります。
・高値掴みを避ける
・相場に慣れる(暴落・急騰)
【感情変化】
人の脳は損失を抱えた時の精神的苦痛を大きく感じるように作られています。そのため、含み損が生じる可能性が大きい“一括投資”は市場から退場する可能性を高めているのに他ならないです。
株価暴落における、積立投資したケースと一括投資したケースでの資産価格を表します。
左:一括投資、右:積立投資
半年後に50%の暴落
一括投資:資産額300万円
➡資産(株式100%現金0%)
積立投資:資産額570万円
➡資産(株式10%現金90%)
上のキャプチャーを見ると、一括投資を行った場合には資産価格が大きく減っていますが、積立投資を行っている場合には、資産価格が減っていません。
あなたはどうでしょうか?自分が汗水流して働いて稼いだお金が、数ヶ月で減ってしまいます。
これに耐えられるでしょうか??
実際に米国株の下落率に円高が重なると50%の暴落を想定する必要があります。こちらの記事で50%の暴落が妥当という解説を行っています。
老後の1,000万円が…
考えただけでゾッとします
投資初心者は積立投資を行う時間で上がり下がりする相場に慣れること、そして適正なリスクを経験から学ぶことが期待できます。
未来の株価は誰にも分からない
現在の株価が“割高”や“割安”の判断はどこから来るものでしょうか?これは過去の株価をベースとして現在の株価を判断しています。
しかし、将来の株価は現在と比べ果たして安いのか?高いのか?誰にも判断する事ができません。
以前のファンダメンタルズ分析の否定について記述したように、金融のプロたちでさえ、たった1年先の見通しが出来ない中、未来の株価は誰にも予測がつきません。
こちらの書籍ではプロの予想もあてにならないことを記載しています>>ウォール街のランダムウォーカー
その点、積立投資では現在の価格が関係なしに投資を継続する方法で、例え現在が割安だとしても、今後、数十年にわたる”平均のリターン”を稼いでくれることは間違いないでしょう。
積立投資は投資家としての資質を鍛える
積立投資は下落相場に適するといっても、投資経験が浅いと簡単に受け入れる事が難しいです。
2022.1の高値を付けてから、米国指数はベアマーケット入り(直近高値より▲20%)となっているため、積立投資に適する市場になってきました。
しかし、投資初心者が実際に手持ちの資金を投入できるのか?というとなかなか難しいです。
こういった、初心者には堪えられない相場が、超長期投資家としての資質が鍛えられます。
一つだけアドバイスをすると、ベアマーケット時(下落相場)には、「余裕資金を増額して投資する」です。
増額の原資は、一括投資を考えていた余裕資金の一部です。
・さらに10%減で20万円
・さらに10%減で30万円
例えば、▲10%となったタイミングで複数分割して購入していくことになります。これは、結局のところ積立金額の増額となります。
まとめ
投資は、落ち着いて行うほどその収益率は高くなります。そのため、後悔しにくく、下落時にも耐性が強い積立投資を基準として行うのが良いと考えています。
ただし、短期や中期的な動きで上昇が読める相場の時には、サテライト的に一部の資産を一括投資するのもアリだと思っています。
どちらにしても、自分が狼狽しない精神状態を保つことが肝要です。
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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