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【図解】セクターローテーションの基本と投資手法について

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ぜんきち
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次に上昇するセクターってどれ?
セクターサイクルってなに?
この疑問を解決する記事を書きました!

株価が上昇する前に投資できるとしたらどうでしょうか?株価には、各セクター(業種)毎に、決まった上昇周期があると言われています。

事前にどのセクターの株価が上がるか分かるってことですか?

ぜんきち
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概ね、そうなります

次に伸びるセクターが事前にわかっていれば、そのセクターへ一回り先に投資しておくだけで、大きな利益を見込まれるという事になります。

実は、機関投資家はその傾向を理解して、一斉にある一定の業種を売り特定の業種を買う行為を行います。この投資手法のことを一般的にセクターローテーションと呼ばれています

この記事では、セクターローテーションについて詳しく解説し、この手法を使う時に投資先の候補となるETFについて紹介します。

Check Point
  • セクターローテーションとは景気循環に合わせた業種の売買
  • 景気循環が一定でない理由はFRBの金融政策が関係する
  • セクター毎のETFを利用してセクターローテーションを行なおう
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米国セクター(業種)の概要

個別企業に投資を行っていると、企業の業績が絶好調なのに、業界全体の売りに巻き込まれて下落することがあります。

この現象は、機関投資家によるセクターローテーション戦略が関係しています。この戦略は各企業の業績に着目するのではなく、マクロの視点で機関投資家が景況感に合わせ、業種の”売り”と”買い”を行うことから起きています。

マクロとは:「巨大」と言う意味で用いられ、経済社会全体のことを指しています。具体的には政府、家計、企業を総括したものです。

企業の決算だけ見ていてもダメなんだね…

ぜんきち
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逆に、決算が悪くても業種で買われることもあります

つまり、セクターローテーションを理解するために、セクター(業種)について理解する必要があります。

  • 景況感が悪ければ、業績が良くても下落する

セクター(業種)の分類

セクターとは、業種と訳され企業を分析する上で便宜上区分けするためのグループです。セクターは世界産業分類基準(GICS)で以下の11種に分かれています。

11種のセクター
『エネルギー』『健康管理』『材料』『資本財』『一般消費財』『生活必需品』『金融』『情報技術』『通信サービス』『公益事業』『不動産』

セクター区分である11分類では、全ての産業を区分するのに少々無理があります。実は、この11分類の他に細分化で21の産業グループ97の業界サブグループで構成されています。

ただし、97分類で区分してしまうと、分析するのに複雑でなかなか苦労します。しかし、11分類であれば分析が行いやすくなります。そうしたことから、11分類のセクターが多く用いられています。

最新の分類について
分類は不定期の更新となります。最新はこちら>>世界産業分類基準(GICS)
  • 11の業種に区分することで比較・分析の簡素化

景気循環とセクター投資について

「好況」と「不況」では、機関投資家に好まれるセクターが異なります。では、基本となる景気循環が起こる理由について解説します。

景気循環が起こる理由

そもそも景気循環とは、好況と不況が繰り返して起こる景気変動のことです。

景気循環をイメージしやすく解説すると、ある工場で製造した商品を例に解説します。

景気の循環
  • Step1
    回復

    製造した商品が売れ出す

  • Step2
    好況

    商品が大量に売れ、製造規模拡大(雇用拡大、製造拠点拡大)

  • Step3
    後退

    商品が売れずらくなる

  • Step4
    不況

    製造拠点を閉鎖して、従業員の解雇が始まる

人には、「より楽に、そして豊かになりたい」という欲求がありますので、人が欲望がある限り景気循環が発生します

  • 人に「欲望」がある限り循環する

景況毎に好まれるセクターについて

【後退期】
 景気が弱くなる初期では、経済の強さを示す指標が最高レベルを示します。経済の強さを示す指標は遅行指数のため、実際には経済が後退の局面となります。この時点では、将来の消費の期待から”エネルギー銘柄”が好まれます。

【不況期】
 経済の各指標が弱さを露呈し始め、この頃には、投資家が株価上昇から得る「キャピタルゲイン」を狙うことを諦めます。「インカムゲイン」を求めて、”生活必需品””公共企業”、次いで不景気に関係のない”ヘルスケア””通信”セクターが好まれます。

ぜんきち
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インカムが約束されている債券も不況期に買われやすいです

【回復期】
 経済の指標がリセッションを告げる頃に、中央銀行が経済を活気付けようと、政策金利を下げます。景気全体としては弱々しいため、”ハイテク株”などに成長ストーリーが好まれます。

【好況期】
 好況期にはシクリカル色の強い”資本財””消費財”が強くなり、物が沢山売れるため”素材”が強くなります。

シクリカルとは:景気敏感と言う意味で、景気によって業績が左右される業界はシクリカル株と呼ばれています。

【図解】セクターローテーション(Sector rotation)

上の図の“青色”景気循環を表し、“オレンジ色”株式市場の循環を示し、最もパフォーマンスの高いセクターを上部に表示しています。

中央の左右へ走る点線が経済の拡大縮小のシキイ値を示しています。

ぜんきち
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上の画像を日本語表記にしました

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出典:Sector Rotation Analysis [ChartSchool] (stockcharts.com)データ加工

どうやって使うの?

ぜんきち
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好調の業種を売り、悪化している業種を買う「逆張り」投資で使います

このチャートの注目ポイントは景気を示す”青色“が山を付ける前に、株式の”オレンジ色”天井を付けるという点です。

つまり、景気が良くなった』という経済指標が表れだしたら、株価は既に弱気相場入りしているということです。

  • 業績のピーク前に、株価は天井に達している

セクターマトリクス(セクターローテーションと政策金利)

上のセクターローテーションと政策金利を一体化させ、マトリクス状にしたのがこちらです。

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セクターマトリクスの解説
縦軸:景況感
横軸:政策金利
※不動産セクターについては、”新築許可件数” ”不動産需要”や”人口増減”に注目が必要となります。金利が低くなると、住宅購入のハードルが低くなり、需要の増加が多くなることを想定して金融相場(回復期)へ入れました。
注意
このセクターマトリクスは一般的に強くなりやすいセクターを配置したもので、一つの目安として参考程度に使用ください。
循環相場
  • 逆金融相場高金利不景気
    景気過熱を抑えるための政策金利の上昇が始まる
    利益がない企業は成長鈍化を憂慮し株価が下落
    (企業の二極化が進む)
  • 逆業績相場低金利不景気
    政策金利上昇につき企業業績の悪化と、消費マインドが冷えこむ
    (生活必需品を販売する成熟企業が好感)
  • 金融相場(低金利好景気
    不景気時の金融緩和や政府によるバラマキなどで株価が上昇
    (全ての銘柄が上がる)
  • 業績相場高金利好景気
    株価上昇が消費者マインドを活性化して、高業績に寄与する
    (景気敏感株が上昇する)

一つ例をあげれば、“生活必需品”セクターは、逆金融相場(後退期)から逆業績相場(不況期)への差し掛かりに好感されます

その理由は、今後、金利が下がって来ることが予想でき、債券による安定的な収入が見込めなくなるからです。

債券でインカムゲインが取れなくなると、別の収入先として、生活必需品など景気によって左右されにくい成熟した企業の安定した配当が好感されるからです。

その他の景気循環における、上昇しやすい業種はこちらになります。

機関投資家の動向

景況により好まれるセクターを記載しましたが、好まれる=割高の可能性が高いという意味合いと言い換えることが出来ます。

畑で例えると、好まれる=収穫の時期』となります。

逆に、次のセクターや半周先のセクターは割安感が出てきていることを示すので、畑で例えると『種まきの時期』となります。

人の行く裏に道あり花の山

千利休が詠んだという説もあり

逆張り的な発想になりますが、資産を築くにはこのような考え方も必要となります。

具体的に何に投資すれば良いの?

ぜんきち
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業種毎にETFがあります

  • 逆張り思考で、先のセクターへ投資する

セクターローテーションとETF

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注意
このローテーションは大雑把な区分となります。そのため、金融相場(回復期)から業績相場(好景気)の実感を得る前に逆金融相場(後退期)となることもあります。

特に1970年代後半や2022年の高インフレ時には、FRBによる大胆な緊縮策が行われ、それに投資家の思惑が重なり株式の変動は大きくなりました。

“VGT”などの各ティッカーコードはセクターへ投資可能となるティッカーとなります。

セクター ティッカー 経費率 時価総額(Bil)
情報技術 VGT 0.10% $47.03
情報技術 XLK 0.10% $43.54
不動産 IYR 0.39% $3.23
不動産 XLRE 0.10% $4.65
金融 VFH 0.10% $7.67
金融 XLF 0.10% $29.54
資本財 VIS 0.10% $3.86
資本財 XLY 0.10% $14.34
素材 VAW 0.10% $2.94
素材 XLB 0.10% $5.38
一般消費財 VCR 0.10% $4.18
一般消費財 XLY 0.10% $14.34
エネルギー VDE 0.10% $7.65
エネルギー XLE 0.10% $38.07
通信 VOX 0.10% $2.71
通信 XLC 0.10% $10.01
ヘルスケア VHT 0.10% $16.66
ヘルスケア XLV 0.10% $38.48
生活必需品 VDC 0.10% $6.79
生活必需品 XLP 0.10% $16.99
公共事業 VPU 0.10% $5.35
公共事業 XLU 0.10% $15.46
注意
先回りで投資を行なうのに注意が必要です。好況期だと思ったら、後退を経ずに不況期へ急転する可能性もありますし、『不況期』で数年間停滞する可能性も十分に考えられることがあるからです。
  • 『不況期』で暫く停滞することもある

セクターパフォーマンス(年次)

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出典:Novel Investor
コード セクター 年次 Best Worst
COND 一般消費財 11.01% 43.10% -37.00%
CONS 生活必需品 9.66% 27.60% -15.40%
ENRS エネルギー 3.79% 65.70% -34.90%
FINL 金融 4.65% 35.60% -55.30%
HLTH 健康管理 11.52% 41.50% -22.80%
INDU 資本財 8.20% 40.70% -39.90%
INFT 情報技術 13.19% 61.70% -43.10%
MATR 材料 6.60% 48.60% -45.70%
REAL 不動産 6.94% 46.20% -42.30%
TELS 情報技術 3.68% 32.70% -39.90%
UTIL 公益事業 7.39% 29.00% -29.00%
S&P S&P 500 Index 8.80% 32.40% -37.00%

2007~2021年のセクター別パフォーマンスランキングになります。これを見てわかるように毎年のように1位を取り続けるセクターが無いことがわかります。

中でも、S&P500は中央値以上のリターンが取れていることが目を引きます。

  • 毎年1位となるセクターは無い

景気循環が歪む要因

セクターローテーションは”コンドラチェフの波”のように1年とか10年とか規則正しい周期で変化するものではありません

なんで、周期が定まらないの?

主観となりますが、その理由はFRBによる政策金利によるものだと考えられます。つまり、FRBの金融政策に着目することで次の業種へ投資マネーが動くタイミングが読めるということです。

FRBの金融政策とセクターローテンション

市場に任せていては、景気〔1〕が極端な上昇が起こったり、大恐慌を招いたりしてしまいます。

この景気循環は、規則性があります。それについてはこちらの記事で解説しています。>>4つの経済の波について

〔1〕景気の判断は企業や消費者がお金を使っているかにより判断されます(金回りのスピード)。沢山の消費を行うと好景気と言われ、その逆であれば不景気といわれます。

FRBは景気の急変動から生じる、”失業率”と”物価上昇”を防ぐ目的で政策金利の上げ下げで舵取りします。これにより、景気循環の期間が読めなくなりました。

近年のFRBによる大胆な金融政策によって、過去に重要視されていた『コンドラチェフの波』などの景気循環の周期がズレてしまっていると考えられます。

FRBとセクターローテーション
【過去】
基本的に景気は定期的に循環する
【現在】
FRBの政策により循環する期間は不定期
➡投資家は景気を循環させるFRB動向を注視する
➡FRBの金融政策が株価を変動させる
  • 金融政策により景気サイクルは歪む

政策金利と景気の関係

金利と株式の関係は複雑です。FRBによる利上げはその裏付けとして“企業業績”“景気”が良いことが前提となります。

金利と景気の関係
  • 金利を下げ好景気を狙う
    景気悪化の兆候が見えだすと、政策金利を下げます。すると、利息が小さくなり、借金しやすくなるので設備投資と雇用の拡大が起きます。
  • 金利を上げインフレを抑制する
    金利が上がると、利息が増えるため借り入れしづらくなります。すると、設備投資などの需要の減少(不景気)による、物価の低下が狙えます。

景気と金利の関係は“実需”“消費マインド”が強く関係します。

【実需】
金利が低くなれば、借入しやすくなり消費が顕著になる。

【消費マインド】
国民の資産の約40%が株式となっている米国で消費マインドを活性化させるのは単純です。株式を上げることです。〔2〕

〔2〕:余談となりますが、株価を上げると国民からの支持が得られやすいです。そのため、歴代の大統領は選挙の前年には株価を上昇させる政策を連発し株が上がる傾向があります。

金利と実需の関係

日本に住んでいたら、イメージが付きませんが、アメリカ人は手元のお金は全て使う傾向があります。

いくつも要因がありますが、その中に日本の物価上昇率より、”米国の物価上昇の方が大きい”ということや”株式へ投資した方が資産を増加させた”という背景が関係しています。

日本と米国の物価上昇推移

日本のインフレ率は0%を下に割るデフレ現象が何度も起きており、貯蓄が資産を守る一つの正解でした。

一方、米国は2%~4%の物価上昇が起きており、お金を銀行に寝かしているだけで、『実質的に使用できるお金が減る』現象が起きています。

例えば、子供の頃600円のコンビニ弁当が大人になると900円になります。この規模の変動があると、欲しい物を我慢しても将来購入することが叶わないので、借金してでも購入したいというマインド変化が起きます。

MEMO
毎年2%の物価上昇を達成すると、36年でお金の価値が半分になります。

米国の環境でも、金利が大きく上がれば、借り入れに躊躇しだして消費を冷え込ませることになります。

株価と消費マインドの関係

米国では国民の資産の約半分(52.6%)が市場に投入されています。そのため、株式が上昇することが直接的に国民の資産を上昇させることに繋がります。

つまり、『株価の上昇』は米国国民の消費マインドを上昇させる一つの手段となります。

\日本,米国,ユーロ圏の家計資産構成/

出典:日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』(2022年8月31日発行)データ加工
出典:日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』(2022年8月31日発行)

ちなみに、2020年のコロナショック時にはこれまでにない『急激な利下げと『量的緩和を行った結果、各企業業績が向上し株式市場が膨張しました。

利上げは”悪”なのか

FRBが意図的に株価を下落させようとしません。そのため、過度なインフレ下でない限り、企業の業績が悪い時には利上げを行いません。

言い換えると、利上げが行われるということは雇用が強く、ひいては企業が強いということを表わしています。そのため、利上げ後は株価が上昇すると考えるのが自然です。

しかしながら、金利上昇が進むことによって、消費者マインドの悪化などの影響を受け、企業業績が減速していき、株価が徐々に下がっていきます。

「利上げ」の影響
株式市場
将来の企業業績の悪化を見込んで、株価が売られる
企業業績
業績悪化の兆候が顕在化するまで、経済規模の拡大を行う

結局、”利上げ”と”利下げ”どっちが良いの?

ぜんきち
ぜんきち

その答えは「利下げ」です

株価は一年先程度の未来の期待値を反映しています。その理由は、不況下による利下げは将来的に企業業績が回復する思惑が市場に広がりやすく、機関投資家による企業の物色が始まるからです。

企業サイドでは、低金利状態の方が消費や設備投資が活性化しやすくなり、業績回復の足掛かりを付け始めます。

「利下げ」の影響
株式市場
将来の企業業績の回復を見込んで、株価が買われる
企業業績
金利の低下が設備投資と業績回復の足掛かりとなる

一方、利上げは、初期に株価の上昇を見せるものの短命に終わります。

FRBは政策金利の上げ下げによって、間接的に株式投資をコントロールしている考えるとよいでしょう。

  • 景気は政策金利によって間接的に変化する

セクターローテーションのまとめ

セクターローテーションは、機関投資家による景況感に合わせたセクターの売り買いです。近年では、この売り買いが不定期なものになりました。

その理由は、FRBによる利上げという人為的な金融政策が行われるからです。この政策を先読みして動く「機関投資家」の売買が、株価は現在の景況感と株価の不一致を生じてしまい、その結果、株価は1年程度未来の期待値を表します。

個人投資家でも、先に上昇するセクターに回り道して投資を行なうことができるメンタルをお持ちであれば十分に勝算がある投資に結び付く可能性があります。

  • 企業の業績と関係なく景況感に合わせて売買が行われる現象
  • 『金融政策』とセクターローテーションは関係している
  • セクターマトリクスにある次のセクターは一つの目安

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