電気自動車で世界No1のシェアを誇るテスラ を分析します
テスラ（TSLA）は、米国の電気自動車メーカーです。EV（Electric Vehicle）米国シェアは80％以上を占めています。世界的なサスティナブルへの取り組みが後押しして、EV企業の業績が拡大する環境は整っております。
テスラ（TSLA）基本データ
| 社 名 | Tesla Inc. |
| 本 社 | アメリカ カルフォルニア州 |
| ティッカー | TSLA |
| セクター |
Consumer Discretionary：一般消費財
|
| 創 立 | 2003年 |
| 上 場 | 2010年（NASDAQ） |
| 時価総額(USD) | 1,057 Bil（2021.11.10） |
事業概要
電気自動車会社として一般的に知られるテスラ（Tesla）は、実は垂直統合型再生可能エネルギー企業です。
テスラは電気自動車の開発・製造を手掛け、電気パワートレイン部品を他の自動車メーカーに販売も行っています。
他にも、エネルギー発電のためのソーラーパネルやソーラールーフ、また、住宅や商業ビルおよび公共施設向けに電力貯蔵のためのバッテリーを販売しています。
事業コンセプト
テスラのビジョンは『世界の電気自動車への移行を推進すること』です。
そのため、従来の自動車産業のコアとなる『エンジン』への追及は必要としない企業として創立された企業で、事業のコアは『バッテリー』『独自モーター』『ソフトウェア』です。
2006年にイーロン・マスクはテスラのコンセプトを「炭化水素経済から太陽電池経済への移行を促進する」ためにテスラは存在すると述べました。
有言実行で知られるイーロン・マスクは、その後、太陽光パネル製造企業を創立し、2016年にテスラの傘下へ組み入れました。
世界的に脱炭素社会が提唱されている中で、今後も成長する可能性が高い企業です。
テスラの業績
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売上構成
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2020/12（12ヶ月） |
売上高（$ Mil） | 構成比率 |
| Automotive （自動車） |
29,542 | 93.7 % |
| Energy generation and storage （発電と貯蔵） |
1,994 | 6.3 % |
2021年Q3の決算内容
売上高：$137.57 Bil（前年比57％増）
純利益：16.59 Bil（前年比4.9倍）
営業利益率：14.6％（2Q：11.0％）
テスラの強み
驚異的な売上高と自動車販売を主とする企業では考えられない営業利益率の高さには、舌を巻くほどです。（トヨタは2021.4月から6月 営業利益率：12.6％ 純利益は下方修正）
では、なぜ、これだけの成長率と営業利益率があるのか？テスラの強みについて分析してみます。
製造工程の効率化
既存の自動車会社は “快適にそして、走りを楽しく” するために、『静粛性』にこだわっています。例えば、そのこだわりは、ドアの開け閉めを静かにするために、車の骨格であるフレームにもこだわり、スポット溶接を大量に施します。この “溶接の手間” や “複数の部品管理” が 原価の大部分を占めています。
テスラの場合はこの溶接数を極限まで省略し、それでいて品質が高いものを生み出しています。例の一つに『ギガプレス』があげられます。
ギガプレスとは
既存の自動車会社は、フレームの部品を100以上から構成して作られています。そのため、各企業への発注、配達、部品管理、組立において、大きなリソースを費やして、原価を押し上げていました。
しかし、テスラのギガプレスを使う事で構成部品は、僅か3つとすることが出来ます。そのため、既存の自動車会社には信じられないくらい生産効率が高くなります。それを可能にしているのは、やはりギガプレスあるからです。
ギガプレスは、イタリアの『IDRA』という企業が製造している巨大なダイカスト製造機〔1〕です。この機械を運搬するのに20台以上のトラックが必要になるという化け物級の機械となります。
これを、イーロンマスクは爆買いしました。これにより、今後も低コスト生産が持続されたのも同然です。
| テスラ | 他の自動車会社 | |
| 部品数 | 3＋α | 100以上 |
| 溶接 | 約20 | 500~2000以上 |
| 溶接時間 | 100秒 | 10,000秒 |
| コスト | 2,000円 | 約10万円 |
〔1〕：金型に溶融した金属を圧入することで、高い寸法精度の鋳物を短時間に生産する仕組みの機械
営業方法の省力化
販売代理店が無い
テスラにはディーラー〔2〕が存在しません。そのため、現物を実際に見ることができません。
ではどうやって購入するのでしょうか？
それは、自社のWebサイトのみで購入する事ができます。それだけで売れるのか？という疑問は業績を見れば疑問は吹き飛びます。
実際に2008年に高級EV車であるロードスターが発売されると、予約が殺到しオーダー待ちになりました。
〔2〕：特約店契約を結んだ正規販売店のこと
広告が無い
他にも、テスラは広告を出していません。創業者イーロン・マスクが様々な情報を発信することが広告の代わりとすることができるからです。
では、なぜイーロン・マスクが信用されているかを考えてみます。
マスタープラン
イーロン・マスクの信頼される理由は、『マスタープラン』が発表された2006年に遡ります。そのマスタープランに書かれた内容が、2~3年という未来に実現し続けたことが、イーロン・マスクが信頼される所以です。
半導体不足の影響
世界の企業が半導体不足の影響を受ける中、テスラはなぜ増産に踏み切れるのか？その答えはテスラは自前で数種類の半導体に対応するファームウェアや、それに関連するソフトプログラムを自社で修正できるからです。
テスラはEVのモーターからバッテリーパックに至るまで内製しています。それは、ハードに留まらずソフトまで自社で設計している所が、既存の自動車会社とは一線を画します。
イーロンマスク氏が保有株売却か？
先日、イーロンマスクがTwitterで、自身が保有するテスラ株の10％（2兆円）を売却するべきかどうかアンケートを取りました。
この結果、賛成が多数（約58％）で売却が決まりました。イーロンマスクは有言実行で知られていますので、実行される可能性が高い。
他にも、イーロンマスクが150憶ドルの税金を支払うために “実は株を売りたかった” という情報もあります。この事から、株価がイーロンマスクの売りを織り込みしようとしています。
実際に11/9に10％以上の暴落がありました。
今後、イーロンマスク氏が売却が終わったと “つぶやく” まで、ギクシャクすると考えられます。これは逆に投資が出来なかった方へも買うチャンスが来る可能性があります。
まとめ
共に学んで豊かになりましょう！それでは、また！！
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