投資したいけどなんか怖い
下落をなるべく防ぐ方法は?
資産運用を心穏やかに行うための秘訣は分散投資があります。
実は、分散投資は初心者だけでなく投資中級者、上級者も行っている投資の基本で重要な事項になります。
この記事では、分散投資4つ全ての解説を行います。
資産が大きくなってきた方が不必要なリスクを取り過ぎないよう、この機会に是非、抑えておきましょう。
記事が、タメになったと思われたら、SNSやリンクで紹介して頂けると今後の励みになります。
4つの分散方法
分散って大切なの?
リスクを抑えたい方、複利を増やしたい方に大切です
分散投資は様々なメリットがあります。
・複利効果を得られやすくなる。
・初心者が投資に早く取り掛かることができる。
・インフレによる資産の目減りを防ぐ事ができる。
・資産運用の恐怖や高揚を感じにくいため普段の生活に支障が起きにくい。
先述したメリットの他にも幾つかのメリットがあります。
この効果を受けるには、以下の4つの分散が必要になります。
時間分散(ドルコスト平均法)
分散投資の中で馴染みの深いものは「時間分散」です。
何でなじみ深いの?
積立投資がこれにあたるからです
時間分散は自己資金を複数回に分けて「購入」や「売却」する手法で、購入については「積立投資」とも呼ばれています。
上図は「ゆーきっちゃん」のマネサピ から引用させて頂きました。
マネサピは初心者でも、わかりやすく投資についての情報が記載されている記事が多数あります。サイトはこちらです。>>マネサピ
上図は、毎回「定量購入」した場合に比べ、「定額購入」をした場合の方が平均購入額が下がる具体例として引用させて頂きました。
こうした、投資手法は株やコモディティなど値動きが激しい商品に対して有効な方法となり、「高値づかみ」を避けることが可能です。
ドルコスト平均法と注意事項
ドルコスト平均法とは、価格変動する金融商品を一定額で定期的に購入することで、平均購入単価を抑える手法です。
定額で定期的に購入するドルコスト平均法は世界で有名な時間分散法です。
・平均単価によりリスク軽減効果が期待できる。
・大きな資金が無くても始められる。
・数年間続けると一括投資と遜色がなくなる。
ドルコスト平均法を有効に働かせるためには「定額買付」である必要があります。
定額買付って?
例えば「1万円を毎月投資」みたいな感じです
ドルコスト平均法を行うコツは2つあります。
・注文単価5,000円で2口
・注文単価500円で20口
価格変動後
・注文単価5,100円で1口
・注文単価510円で19口
※注文単価が小さい方が「定額」が可能
・注文単価5,000円で2口
<毎月100万円積立投資>
・注文単価5,000円で200口
※注文額が大きい方が「定額」が可能
ドルコスト平均法では、一口あたりの単価が小さく、積立額が大きい方が「定額投資」が可能になります。
逆に言うと、一口あたりの購入単価が大きすぎたり、購入する額が小さすぎると定額買付ができません。
積立額が1,000円じゃ少ないかな?
投資信託では1口2~3円なので十分可能です
超長期積立では影響が減衰する
この他に、積立年数が数十年経過すると、定額投資による影響額が小さくなってしまうため、一括投資と変わりがないように感じてしまいます。
・1年後:積立額12万円に対する影響 約8%
・10年後:積立額120万円に対する影響 約0.8%
上のケースの場合、10年経過すると毎月の影響は1%に満たないものなので、過去に積み上げた平均単価を中々下げることには至りません。
そのため、「一括投資と同じでは?」と言う声も散見されます。
確かにその通りですが、積立には他の効果も期待できます
積立投資の副次効果は、資産の増減に慣れることが期待できるということです。
投資に不慣れな場合、あなたが汗水流して得たお金が勝手に減ってしまっているのに抵抗感を抱いてしまいます。
積立投資はそんな方にとって、資産の増減に慣れる副次効果が期待できます。
資産のマイナスに慣れてから一括投資しよう
こちらの記事では、「積立投資」と「一括投資」を比較して積立投資のメリットを具体例で解説しています。>>積立投資vs一括投資
資産分散(アセットアロケーション)
金融商品は株式以外にも様々あります。
あなたが負えるリスクに応じて、資産配分を決めることをアセットアロケーションと言います。
多彩な商品の一例はこちらです。
・債券
・株式
・不動産
・金
・商品
・暗号資産 etc…
沢山ある
昔と今の分散方法も変化があります
昔からの資産分散
資産分散とは、“財産三分法”といって、財産は主に『有価証券』〔1〕『現金』『不動産』の3つあります。
この3つに分けてリスク分散する方法が昔から有名です。
不動産投資は、借金というレバレッジをかけて投資する方法となります。そのため、門外漢では始めにくく、失敗したらそこで大きく躓いてしてしまいます。
近代の資産分散
現代は株式市場に、REITや金への投資など様々な有価証券が誕生しました。
そのため、株式市場で資産を分散する方が、流動性〔2〕が高く、危機に俊敏に対応できます。
一番わかりやすい例が「REIT」つまり、不動産です。
これは、現物とは違い、契約や売り手を個別に探す必要がなく、株の売買で直ぐに現金化できます。
しかし、REITは流動性が高い分、短期的な価格変動が現物の不動産価格よりも大きくなります。
他にもあるの?
他にも、「農産物」「原油」などのコモディティについても株式市場でETFとして投資が可能となりました。
2024年には「暗号資産」のビットコイン(BTC)についてもアメリカでETF取引が始まっています。
資産分散って効果あるの?
株式100%より収益があがります
こちらの記事では、株より収益が劣る「金」を組み入れた時の収益について詳しく解説しています。>>米国株プラス金の収益
地域分散(動乱、紛争と天災)
地域分散は、その名の通り投資する「地域」を分散させる投資方法です。
グローバル経済下で意味あるの?
地政学リスクの観点で意味があります
グローバル経済が進んだことや、インターネットの大衆化によるテック産業隆盛により、経済圏が国の枠に囚われず、国際社会全体に広がりました。
その観点で言えば、米国企業単体へ投資を行なっても世界全体から収益を得ている以上、間接的に世界分散ができていると考えることも可能です。
そのため、地域分散の観点は政治的「動乱」「紛争」や「天災」という地政学リスクの観点で考えることになります。
オバマ大統領時代、北朝鮮が “長距離弾道ミサイル” を開発している時には、対アメリカの地政学的リスク〔3〕が上がって、株式市場も下落しました。
〔3〕:北朝鮮がアメリカまで到達するミサイル開発をすると、直接攻撃が可能となるため、戦争リスクが上がる。
次の覇権を狙う中国と米国の争いが起きるとすると、どちらにもつかないスタンスであるインドが相対的優位に位置します。
他にも、南半球の大国オーストラリアは大国と物理的な距離が大きく地政学リスクは小さいです。
国名 | 特徴 |
米国 | 先進国唯一の人口増大国 |
日本 | AIによる魅力増加中の先進国 |
欧州 | 高級ブランドや規制利権の国 |
中国 | 不動産バブル崩壊中 |
インド | 中国を抜き去る経済成長 |
オーストラリア | 地政学リスクを受けずらい資源国 |
南アジア | 人口ボーナスと経済成長が著しい |
アフリカ | 世界唯一のフロンティア |
経済成長だけで見ると、南アジアが最も成長することが確定していますが、政治リスクや汚職が蔓延しており、難しい投資となります。
株式市場においても、米国投資家のプレゼンスが高く、南アジアの経済は好調でも米国が傾くと米国投資家のリスク軽減のために、一気に資金が引き上げられます。
南アジアは市場規模が小さいため、その影響は絶大なものになります。
世界2位の株式市場の日本においても同様です
通貨分散(世界の情勢でゆっくり変化)
実は、先述した「地域分散」を行うことで通貨分散もある程度できています。
通貨分散は投資を行なっていない予備資金をどの通貨で保有するかを考えることができます。
早速、結論としては日本人は、米ドルへ50%、ユーロへ10%の資産を振り分けるのがベターとなります。
為替取引高
世界で最も流通している通貨が一番強い通貨となります。
世界一位の取引量を誇るのは米ドルです。
米ドルさえ保有しておけば、あらゆる国で安心して為替交換が行えます。
通貨 | 2007 | 2010 | 2013 | 2016 | 2019 | 2022 |
米ドル | 42.8 | 42.4 | 43.5 | 43.8 | 44.1 | 44.2 |
ユーロ | 18.5 | 19.5 | 16.7 | 15.7 | 16.2 | 15.3 |
日本円 | 8.6 | 9.5 | 11.5 | 10.8 | 8.4 | 8.3 |
英ポンド | 7.4 | 6.4 | 5.9 | 6.4 | 6.4 | 6.5 |
人民元 | 0.2 | 0.4 | 1.1 | 2 | 2.2 | 3.5 |
豪ドル | 3.3 | 3.8 | 4.3 | 3.4 | 3.4 | 3.2 |
加ドル | 2.1 | 2.6 | 2.3 | 2.6 | 2.5 | 3.1 |
スイスフラン | 3.4 | 3.2 | 2.6 | 2.4 | 2.5 | 2.6 |
香港ドル | 1.4 | 1.2 | 0.7 | 0.9 | 1.8 | 1.3 |
シンガポールドル | 0.6 | 0.7 | 0.7 | 0.9 | 0.9 | 1.2 |
その他 | 11.6 | 10.2 | 10.6 | 11.1 | 11.7 | 10.8 |
上図は最新の取引高となり、トップ4の順位は変わりませんが、人民元が8位から5位へ上昇しました。
人民元のシェアに香港ドルを加えると7.8%と日本の8.3%に迫る勢いが中国にはあります。
為替市場の取引総額は約7.5兆ドルと毎年増加傾向で増加率は前回の29.9%より低い14.1%の増加でした。
ダブついたお金がある証拠だ
IMF(SDR)の通貨割合
価値の保全のための通貨として、国際通貨機関(IMF)〔4〕の特別引出権(SDR)〔5〕が参考にできます。
SDRは金融危機時の融資引換券なので、SDRに採用される通貨には信用度があり、その割合は通貨の信用度という認識で概ね正しいです。
先述した取引出来高とSDRの割合は異なり、2020年から3位に人民元が入っています。
1985 | 1990 | 1995 | 1998 | 2000 | 2005 | 2010 | 2015 | 2020 | 2022 | |
米ドル | 42.0% | 42.0% | 40.0% | 39.0% | 39.0% | 44.0% | 44.0% | 41.9% | 41.7% | 43.4% |
ユーロ※ | 32.0% | 31.0% | 32.0% | 32.0% | 32.0% | 31.0% | 34.0% | 37.4% | 30.9% | 29.3% |
日本円 | 13.0% | 15.0% | 17.0% | 18.0% | 18.0% | 14.0% | 11.0% | 9.4% | 8.3% | 7.6% |
英ポンド | 13.0% | 12.0% | 11.0% | 11.0% | 11.0% | 11.0% | 11.0% | 11.3% | 8.1% | 7.4% |
人民元 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 10.9% | 12.3% |
SDRの割合推移をみると、日本の通貨が占める割合が2000年から徐々に減っています。
その一方、人民元は2020年に一気に10.9%の採用が行われました。
大きな割合で採用されたのは、SDR基準による「2.自由利用可能通貨」について基準を満たしたと判断されたからです。
2.自由利用可能通貨である
人民元は採用基準の「2.自由利用可能通貨」を分解すると、国際的な「計算単位」「支払単位」「価値保蔵手段」の3つが必要で、人民元が3要素を備わっていると判断されました。
通貨分散の考え方
先述したように、日本で働けば、労働を「円」に変えることは可能です。
しかし、世界でメジャーな通貨である「米ドル」や「ユーロ」を持っていないのは大きなリスクとなります。
今や、日本円は人民元に劣るマイノリティへ転落しており、日本円しか所有しないということは”大きな賭け”をしているに他なりません。
じゃあ どうしよう
他国への投資で分散が可能です
米国企業へ投資をすることは通貨分散と同じことなので、諸外国の投資や全世界へ投資すると「通貨分散」ならびに「地域分散」の一石二鳥となります。
例えば、中国の指数であれば、人民元で購入する。欧州の指数であれば、ユーロで購入することで、「通貨分散」と「地域分散」の両方の対策ができます。
【まとめ】4つの分散方法
昔に比べ、株や債券などの”ペーパーアセット”が豊富になり、細かい手続き不要で分散投資ができるようになりました。
ペーパーアセットは簡単に取り込める代わりに、昔に比べ簡単に価格の上下が起きます。
価格変動はリスクと同義ですので、分散投資の必要性は昔に比べ大きくなり、個人投資家にも必須となりました。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
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