こんな疑問がある方のために、記事を書きました。
1月バロメーターってなに?
100%のアノマリーってないの?
この疑問を解消する記事を書きました。
過去70年の歴史から、一定の法則があり、その法則で100%株価が上昇すると知ったらどうしますか?
全突っ込みします!
やり過ぎ…(汗)
「1月バロメータ」などの条件をクリアした新アノマリーの確率は100%の上昇となり、しかも上昇率は約20%となります。
ちなみに、100%の相関性を算出したバックデータは約70年分となり、なかなか見過ごせない検証結果となります。
今回は、前回の記事で伝えきれなかったアノマリーの「1月バロメータ」と「100%上昇したアノマリー」について解説します。
記事を“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
「1月効果」の真贋
1月効果って知ってますか?
1月は上昇しやすいってこと?
その通りです!
別の記事で近年の株価には1月効果が表れているのかを検証しました。
私が独自に検証した内容は、米国株式指数S&P500以外に「NASDAQ100」「ラッセル2000」「債券」「金」において検証した記事がこちらです。
結論は、効果が見られませんでした。
しかし、次に紹介する「1月バロメータ」は約70年のデータで検証しており、80%以上の上昇率が見込まれるなど、決して見過ごせない偏りがありました。
「1月バロメーター」
「1月効果」や「1月バロメーター」などの米国アノマリーは米国株式指数である「S&P500」の上昇と下落を占うものになります。
株式指数の事で、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から米国の主要産業を代表する500社により構成されています。
こちらのアノマリーは1972年にイェール・ハーシュ氏により提唱されました。最新刊となる2023年バージョンはこちらです。
1月バロメータは「年初の5日」と「1月のリターン」の2つでどちらも、当該年の年末までの上昇を予測するアノマリーとなります。
年初の5日間(年初1週間)
年初の5取引日が上昇
➞1年を通して上昇
新年を迎えた、最初の5取引日にS&P500がどういう動きになるかを予測したアノマリーとなります。
提唱者である、イェール・ハーシュ氏が「早期警戒システム」と呼んでいる1月バロメータです。
上昇した場合には、85%の確率で年初来上昇で年末をむかえました。
その一方、下落した場合には、約50%の確率で下落としかならず、下落を予測するアノマリーとはなりませんでした。
つまり、上昇した時にのみ使えるアノマリーとなります。
1月の株価(月全体)
1月が上昇
➞1年を通して上昇
1月の一ヶ月を通してのリターンがプラスかマイナスかにより、S&P500がむこう11ヶ月どう推移するかを予測したアノマリーとなります。
・1994年:メキシコ通貨危機
・2001年:同時多発テロ(米国)
・2018年:長期金利上昇
※この内、2001年を除いて、大統領の任期2年目(中間選挙)の年でした。
上昇した場合には、91%の確率で年初来上昇で年末をむかえました。
上昇幅(率)は平均で14%で、大統領選挙の前年は16.6%とかなり高いリターンを生み出しています。
ただ、このアノマリーには疑いの目もあります。
1月バロメータの「疑念」
あなたがご存じのように米国株は世界で最も高いリターンを誇ります。
S&P500が設定された1945年以降の78年間でこの指数は59年間上昇している事実があります。
これを加味すると、偏りは特別な現象ではなく「一般的な傾向の副次的な影響」である可能性が高いことを示しています。
100%で上昇したアノマリー
「ストック・トレーダーズ・アルマナック」という書籍の著者であるジェフリー・A・ハーシュが年初来の上昇確率100%となるアノマリーが2023年に該当するので解説します。
100%上昇となるには4つの条件があります。
この他のアノマリーはこちらを参照ください。
サンタクロースラリーとは
サンタクロースラリー??
サンタクロース・ラリーは「1年最後の5取引日と新年の最初の2取引日」の期間は上昇する傾向があると言われています。
どれだけ上がるの?
上昇率はとても小さいですが、サンタクロースラリーが無かった年は悲惨な結果となります。
・2005年:横這い
・2008年:リーマンショック
・2015年:横這い
・2016年:小弱気相場
2023年はあったの?
ありました!
100%上昇したアノマリー
先述した4つの条件をクリアした時の上昇確率と平均収益率はこちらです。
ベア相場の底値 | 新年 | サンタクロースラリー | 年初の5日 | 1月バロメータ | 2月収益率 | 残り11月の収益率 | 1年通期 |
1949/6/13 | 1950 | 1.30% | 2.00% | 1.70% | 1.00% | 19.70% | 21.80% |
1953/9/14 | 1954 | 1.70% | 0.50% | 5.10% | 0.30% | 38.00% | 45.00% |
1957/10/22 | 1958 | 3.50% | 2.50% | 4.30% | -2.10% | 32.40% | 38.10% |
1960/10/25 | 1961 | 1.70% | 1.20% | 6.30% | 2.70% | 15.80% | 23.10% |
1962/6/26 | 1963 | 1.70% | 2.60% | 4.90% | -2.90% | 13.30% | 18.90% |
1970/5/26 | 1971 | 1.90% | 0.04% | 4.00% | 0.90% | 6.50% | 10.80% |
1971/11/23 | 1972 | 1.30% | 1.40% | 1.80% | 2.50% | 13.60% | 15.60% |
1974/10/3 | 1975 | 7.20% | 2.20% | 12.30% | 6.00% | 17.20% | 31.50% |
1978/3/6 | 1979 | 3.30% | 2.80% | 4.00% | -3.70% | 8.00% | 12.30% |
1982/8/12 | 1983 | 1.20% | 3.20% | 3.30% | 1.90% | 13.50% | 17.30% |
1998/8/31 | 1999 | 1.30% | 3.70% | 4.10% | -3.20% | 14.80% | 19.50% |
2011/10/3 | 2012 | 1.90% | 1.80% | 4.20% | 4.10% | 8.70% | 13.40% |
2016/2/11 | 2017 | 0.40% | 1.30% | 1.80% | 3.70% | 17.30% | 19.40% |
2022/10/12 | 2023 | 0.80% | 1.40% | – | – | – | – |
・2月収益率:0.86%
・残り11ヶ月:16.83%
・初年来収益率:22.05%
現時点では1~3までの条件を満たしており、1月の収益がプラスで終わると、その年の上昇率は20%となる可能性が高いです。
S&P指数が現在の値より約250point(約5%)下がらない限り、このアノマリーの条件を達成しますので、概ね達成と見てよいでしょう。
あぁ~
買いそびれた…
2月からでも大丈夫です
2月から投資を始めても、残りの11ヶ月間の平均で16.8%の上昇となりますし、2月は下落する傾向がありますので、タイミングによって、収益率が高くなるかもしれません。
まとめ
今回紹介したアノマリーの他にもファンダメンタル指標、技術理論どれか一つだけで投資戦略を立てるのは注意が必要です。
市場に影響を与える要因は常に変化しています。
このアノマリーが示すことは、「大統領選挙前年にあたる2023年は年初来20%上がる」ただ一言に尽きます。
記事が、面白かったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
関連記事
『1月効果』についての解説記事になります。
他にも、有名なアノマリーである、『セルインメイ』について年間のパフォーマンスとリターンから信憑性について考察しています。
11月から起き始めるタックスロス・セリングについて解説しました。この現象をしれば、一月効果の生じやすい銘柄を特定できる可能性があります。
節税後に短期的な上昇が起きやすいです。これを、デッド・キャットバウンスと言われています。こちらの記事でデッド・キャットバウンスについて解説しています。
コメント