資産分散って必要あるの?
効果はどれくらい?
アメリカが今後も伸びていくので、アメリカ一本へ投資する!!
と考えている方もいらっしゃると思います。
実は、アメリカのみへの投資より適切な「資産分散」を行なえば、よりリターンが高くなります。
ほんとに?
分散投資は株100%よりリターンが減ってしまうという考えの方は今回の記事で「正しい分散はリターンを上げる」と知識のアップデートに役立ててください。
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4つの分散投資について
分散投資の詳細については、別の記事で詳しく解説しています。>>4つの基本的な資産分散
・2:資産分散
・3:地域分散
・4:通貨分散
この記事では、資産分散について詳しく解説します。
資産分散の有効性
数百年における金融資産の歴史を見ると、株式に勝る資産はありませんでした。
しかし、私達の運用には目的があって、必ず使用するタイミングが訪れます。
そのため、数百年の間に資産を取り崩さないチャートを鵜呑みにすると大変な目に遭います。
歴史的な収益の確認
まず、見飽きた方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらのチャートをご覧ください。
やっぱり株100%が一番!
株式100%が気持ち良いほどの右肩上がりで成長していますが、今回は『金』に着目します。
ちなみに、上図のチャートは“実質”トータルリターンとなります。
実質ってなに??
「インフレ率を考慮」という意味です
つまり、このチャートが示すのはインフレ率を除いたら金は200年間横這いであったという過去を示しています。
金はやっぱダメじゃん!
株に比べて金は全然ダメなように感じますが、このチャートは「200年」なので、一世代で考えるのには長すぎます。
10-15年で考えると、イマイチな金をアセットアロケーションに入れると面白い結果が得られます。
金をアセットアロケーションに入れる
確かに、資産を『金』に全て変えてしまうと、リターンは上図のようになります。
では、ポートフォリオの数十%を金へ変えたらどうでしょうか?
あんまり変わんないんじゃない?
結果は下のチャートになります。
・2番 赤:米国株80% 金20%
・リバランス年に1度
遡れる1972年からのバックテストであれば、金を数十%入れたチャートの方が、リターンが大きく、暴落も小さくなります。
金を20%入れるだけで分散効果が得られます
例年のパフォーマンスも、基本的に株100%をアウトパフォームしていることが見て取れます。
リバランスの重要性
何で金を入れると収益があがるの?
そのカラクリはリバランスです
実は、先ほどのチャートでは年に1度のリバランス〔1〕を行っておりました。
・赤 金20%:0.52
定期的なリバランスを行うことで、収益は大きく変わります。
リバランスなしの場合
じゃあリバランスが無かったらどうなるの?
リバランスの手間を怠ると、シャープレシオ〔2〕は株100%と変わらず、結局は株100%所有の方がリターンが大きくなります。
・赤 金20%:0.79
※ほとんど同じ
チャートを見ると、金20%が保たれている最初の頃は、株100%に比べ優位に立っています。
しかし、年数が経ち、金の割合が減っていくと株100%よりアンダーパフォームしています。
分散投資の有効性について
もっと至近でバックテストしたらどうなるの?
切り取る範囲でパフォーマンスが変わります
至近10年による比較(2014.7~2024.8)
至近10年では、株式市場が絶好調となる年のパフォーマンスとなります。
株100% | 株80%:金20% | |
トータルリターン | 34,488$ | 31,347$ |
年率収益(CAGR | 12.31% | 11.31% |
標準偏差 | 15.37% | 12.76% |
最高収益年 | 30.65% | 28.09% |
最低収益年 | ‐19.60% | ‐15.84% |
最大下落 | ‐24.94%(2022.1~9) | ‐21.86(2022.1~9) |
シャープレシオ | 0.74 | 0.79 |
算術平均(年) | 13.62% | 12.20% |
幾何平均(年) | 12.31% | 11.31% |
上図はインフレ調整込みのチャートとなります。
インフレを加味したとしても株式が大きく上昇した頃で、そうした期間においては株式100%の方が毎年のリターンが「1%」も差が開きます。
1%は複利効果で大きな差となります
分散投資の評価
前述した、至近10年と同じく株価が大きく上昇した1980年代後半から1990年後半についても結果は株100%が高リターンとなりました。
この結果から言えるのは、株式が絶好調な時には株式100%に勝るものはないという事実です。
将来はわからないからね…
市場将来が不明の場合は分散が吉です
分散投資の効果が発揮するのは、株式が”下落”もしくは”横這い”となってしまう時に発揮します。
現実的に、15年以上の運用予定であると必ず暴落局面はありますし、投資期間が長ければ長いほど、資産分散の効果は得られます。
バックテストでは、利益確定時の税金は考慮されていません。しかし、税負担はNISA口座を使うことによってクリアできます。
もし、少しでも懸念ある方はたった数%だけの組み入れでも、分散の効果が出ますので、検討すると良いでしょう。
【まとめ】資産分散の有効性
資産分散の効果が発揮されるのは、15年以上の超長期に投資を継続する場合で、株式が”下落”もしくは”横這い”が長いほどその効果が顕在化します。
ただし、例外的に株式が絶好調な期間が続く時期には株式100%の方がリターンが大きくなります。
もし、これからの株式市場が10年間低迷してしまった場合や、20-30年間の超長期投資であると、分散投資をしていた方がリターンが大きくなる可能性が高いです。
資産分散で気を付けたいことは、年に1度のリバランスを忘れず行う必要があるということです。
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