こんな悩みがある方のために、記事を書きました。
生活防衛資金の目安は?
生活防衛資金の役割は?
私たちの親世帯は、政府による手厚い社会保険料と長期のデフレで『貯金』が正解でした。
一方、現役世代は「少子高齢化」と「インフレ」でかつ、「超低金利」時代となりました。
日本政府も、過去にはなかった「NISA」や「iDeCo」の投資にともなう税制優遇制度を使うことを推奨し、「自助努力で資産を守れ」というメッセージが隠されています。
貯金と投資のバランスがわからない
貯金の目安を知れば、他のお金は投資にまわせます
現役世代が行う貯金の目的は、『生活防衛資金の確保』という一点です。それ以外の資金は投資にまわす考え方が今後、主流となります。
生活防衛資金は上の『期間×支出額』から求められます。期間については
重要な生活防衛資金の『考え方』
そもそも、『生活防衛資金』とは、“災害” “傷病“や”失業“ などの不測の事態によって収入源を失う事が起きても、生活を保つことのできるお金です。
『生活防衛資金』は人生を守る”命綱”と言っても過言ではありません。
ご家庭を持っている方は、収入が途絶えても家族を養うための生活防衛資金となります。
〇〇ヶ月分って、何?
こちらについては後述します
○○ヶ月分は、年齢などによって変化します。詳しくは、後で解説します。
話を戻しますと、生活防衛資金つまり、“命綱”にはデメリットは無く、3つのメリットがあります。
生活防衛資金の3つのメリット
生活防衛資金のメリットは、その”過程“と”達成後“に各々あります。
支出の最適化
生活防衛資金を貯めるために、先ず行うことは支出の把握です。
現在の支出を把握すると、生活水準を保つために毎月いくら必要なのかがわかります。
支出を計算していく過程で、ムダだと思う支出〔1〕が出てくると思います。そういった思いが支出の最適化に繋がり、『お金が貯まる体質』に変化します。
〔1〕ムダな支出とは:自分の幸福に結びついていない余計な支出、自己投資で無い支出。
支出の把握をしていない方やこれから把握していこうと思っている方は、『家計簿アプリ』をオススメしています。
家計簿
生活費を出さない事には生活防衛資金が、どのくらい必要かわかりませんので、家計簿が必要となります。
“家計簿”…続かないからな~
続けるコツはアプリで都度入力です
家計簿が続かない理由は、『家計簿ノート』で書こうとしているからです。
・レシート紛失の恐れ
・ノートを買う必要がある
家計簿を購入した時は、続けるつもりでも、いざ大量なレシートと格闘するとなると、やる気が失われます。
財布がレシートで一杯です…
私も同じでした
ところが、スマホのアプリの場合、スキマ時間にポチポチするだけで終わります。
・職場や通勤途中など場所を選ばない
・アプリの導入に手間が掛からない
“らくな家計簿“を使うと、スマホで隙間時間を使って記録できるため、長続きしやすいです。
入力自体が面倒…
マネーフォワードはクレカ情報から自動で作成します
入力自体が面倒な方は、“マネーフォワード”を使う事をおすすめします。
マネーフォワードは3つまでクレカや銀行口座などと連携できますので、主要なクレジットカードと連携すれば、クレカ決済分については自動で入力されます。
・ネット銀行でないと銀行口座情報が連携しない可能性があります。
現金払い分を追加するだけで家計簿ができます
家計簿を作る時のポイントは『完璧な物を目指さない』ことです。ある程度の支出さえわかれば、生活防衛資金が把握できますので、こだわり過ぎに注意が必要です。
投資家としての成功
再現性が高い方法で利益を得ようとすると、超長期での投資が必要となります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
超長期での投資ですと、必ず暴落に巻き込まれます。そんな時でも、淡々と資産運用を続けるために、自分で決めたルールを守り続ける胆力が必要です。
生活防衛資金を貯めるために、自分のルールを継続できるということは、投資家としての資質の向上に繋がります。
精神の安定
不測の事態が起きた時に、自身だけでなく家庭を支えてくれる “お金” があると、精神的に余裕が生まれます。
この安心感は精神的な側面だけでなく、金銭的な側面にも良い影響があります。
・必要以上な保険に加入する
例えば、ブラック企業が嫌で退職したのに、企業を選択する時間が取れず、再度ブラック企業に就職してしまうデメリットや、失業中の生活を守るための保険に加入する必要が生じます。
どちらも、経済的負担が大きいです
特に、保険については支出の最適化を図る上で、現在加入しているものを見直すメリットが大きいです。
保険の見直し
保険とは、リスクが大きく、頻度が小さい事柄にかけるものです。
つまり、貯蓄型の保険はこのシンプルな考えから逸脱しているので、保険加入者の『損』になります。
貯蓄型保険に加入するくらいなら、手数料が低いインデックス投資を買った方が、特別な手間もかからず、保険会社の利益分を享受できるメリットがあります。
・掛け捨て保険
・自動車保険(対人、対物)
・個人賠償
※リスクが大きく、頻度が小さい事に”保険”をかける
・車両保険
・学資保険(貯蓄型)
※生活防衛資金で賄える金額
ムダな保険の一例
『車両保険』は自身の車の損害に掛ける保険であり生活防衛資金で支払える額です。
しかし、自動車保険は等級によって保険料が変わります。
そのため、ご自身の車両修繕で10万円程度であれば、保険を使うより支払った方がお得になり、結局、保険に加入する意味がありません。(リスク小、頻度小)
『医療保険』は年齢によって頻度が多くなりますが、必要となる金額は大きくありません。(リスク小、頻度多)
このような、リスクが小さい事については『生活防衛資金』で賄う事ができるため、“ムダな保険”と定義できます。
保険は”保険”、運用は”運用”でシンプルに考えればOKです。
➡ムダな保険に入る
➡保険の出費が増える
➡お金が無くなる
みんな入っているし…
勧誘されるがまま…
周りに流されて、加入しているといつの間にか“保険貧乏”サイクルに入っている可能性があります。
生活防衛資金の目安
生活防衛資金という言葉はよく聞いたりしますが、目安は生活環境によって変化します。
生活防衛資金の目安
※大きな出費予定(車購入など)であれば、その金額を除いた貯金
上に書いたのはあくまで“目安”となっているため、生活環境によって、金額の多寡が生じます。
ご自身の置かれている生活環境を見直すことで、自分に合った『生活防衛資金』を決める事ができます。
次に、生活環境について具体例を出しますので、カスタマイズして役立ててください。
収入が途絶える(失業・傷病)
収入が途絶えるケースが起きた時に、自営業と会社員ではその影響度が大きく異なります。
自営業
自営業であれば、ケガや病気になり、働けなくなると収入が途絶えます。
業種によりますが、一般的な自営業の場合、取引先との信頼の回復のため、本来の収入に戻るまで多くの時間を要します。
そのため、1年~3年程度の生活費を目安にすると安心だと言われています。
会社員
労働者の場合は、傷病手当金や失業給付金が出ます。そのため、自営業に比べ生活防衛資金の算出期間が短くなります。
期 間:1年6ヶ月
金 額:標準報酬月額〔2〕の年平均の3分の2
支給額:標準報酬額✖2/3÷30日
〔2〕標準報酬月額とは社会保険料の等級により決定される額
期 間:3ヶ月(自主退職)
金 額:基本手当日額の算出〔3〕
支給額:基本手当日額×1ヶ月
〔3〕年齢、収入額によって決定され、上限額が定まっています。
30代・月給40万円(総支給額)
3ヶ月の総支給額➡合計60万円
給付金が貰えるまで、ある程度期間を要しますので、いずれにしても3ヶ月程度の生活防衛資金があれば安心できます。
ただし、これらの期間は “年齢” “職種“ によります。
どいうこと?
例えば、20~30代であれば、再就職先は短期で見つかる事が多いため、算出する防衛資金の期間は短くても安心でしょう。
40代以上であれば、自分のキャリアから再就職できるまで、ある程度期間が必要となります。
40代以上となるとある程度のスキルが求められます
更に深く考えると、再就職した場合は元職場にいた時の収入になるまで、仮採用と言う形で一定期間が必要となるケースが多いです。
そして、生活防衛資金に余裕があれば、再就職先を買い手(企業)主体で決めざるを得ない環境で再就職するのでなく、売り手(労働者)が就きたい企業を選択できる期間を設けれます。
被災する
火災保険や地震保険に加入していれば、補償を受けられる可能性があります。
しかし、損害の保険金が支払われるまでには、必要書類を出してから1ヶ月ほどかかりますし、稀に特別な調査が必要となるケースとなった場合、1ヶ月以上の時間がかかることがあります。
生活防衛資金の疑問
生活防衛資金を貯めようとして、すぐに貯まる事はありません。
生活防衛資金を貯める過程で生じる疑問について私なりの案を記載します。
生活の事になると万人にあう『答え』はありませんので、一つの案として参考にしてください。
借金返済と生活防衛資金
“ローンの返済”と”生活防衛資金”
どちらを優先すれば?
金利により優先度は変わります
奨学金の返済や住宅ローンの返済であれば、金利が小さいため、生活防衛資金を貯めることを優先できます。
一方、『リボ払い』などの『カードローン』の場合は、金利が大きいので返済が優先されます。
生活防衛資金の保管先
生活防衛資金はその特性上、何かあった時に、直ぐに引き出せる銀行が良いでしょう。
楽天銀行であれば、300万円まで普通預金で0.1%の利息が付きます。
・過去に預金の上限はありませんでした
・2022.4.1に改悪され上限300万円となりました
生活防衛資金を投資へ回す
株が絶好調!!
生活防衛資金も投資しちゃおうかな
(…有頂天)
生活防衛資金が貯まったので、その他のお金は全て株式に変えていいのだろうか?
生活防衛資金は投資で暴落と遭遇した時のメンタル維持に機能します。
そのため、私の答えは『NO』となります。
暴落した時は、株式投資の分まで『狼狽売り』という資産運用で絶対にしてはいけない行為を招く可能性を防ぐため、生活防衛資金は使わない方が良いでしょう。
株式投資では有頂天になっている時ほど、いつも以上に注意が必要です。
まとめ
記事が良かったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
関連記事
米国株式へ投資をおこなうと、どれくらいの暴落を考慮しないといけないか、考察した記事はこちらです。
超長期投資をするとなぜ、上昇する可能性が高いのかを過去200年の研究から明らかにしています。こちらの記事で解説しています。
生活防衛資金ではなく、投資する資金を現金(債券)で持つ『カウチポテトポートフォリオ』という有名な運用方法について解説しました。
人間は生命を守るために、『苦痛』をなるべく早く逃れたい性質が働きます。この行為をプロスペクト理論と言います。詳しくはこちらの記事を参照してください。
投資初心者が投資を始める時に始める事について解説しました。