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アジューレ・パワー・グローバル(AZRE)の分析

新興国

インドは少子高齢化を迎える中国を抜き去る勢いを見せています。日本の証券会社でも投資が可能な公益事業(Utilities)であるアジューレ・パワー・グローバル(AZRE)を分析してみました。

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アジューレ・パワー・グローバル(AZRE)基本データ

 

社 名 Azure Power Global Limited.
本 社 インド グルガオン
ティッカー AZRE(NYSE)
セクター Utilities:公益事業
創 立 2008年
上 場 2016年(NYSE)
時価総額(USD) 1.187 Bil(2021.7.7)

 

事業内容

インドのエネルギー会社で初めてアメリカに上場した「アジューレ」ですが、インドの太陽光発電企業といえば「アジューレ」と言われるほど高いプレゼンスがあります。

太陽光発電による電力を供給はもちろん、ソーラー・パネルなど各種設備の備え付け工事も行っております。

スマートシティ関連の案件などの政府の案件に携わり、発電量の85%を政府系公益企業向けに固定価格で供給しています。これは発電会社で競争する上で大きな優位点です。

太陽光発電に対するインドの環境

  • インドは年間300日晴れの日があるという、太陽光発電に適した環境があります。
  • 急速な経済発展により“大気汚染”が深刻化しています。
  • インドのエネルギー自給率は65%となり、国内エネルギーだけでは不足します。(アメリカ、中国 ともに80%超)

インドでは国策として「太陽光・風力発電」2030年までに6倍に拡大する計画です。

鹿児島の気温

太陽光発電に適した九州の平均気温です。

出典:鹿児島地方気象台より

インドの気温

出典:(左)Azure Power、(右)Weatherbaseデータを加工

インドの北部に位置するニューデリーは気温の上下が激しく見え、鹿児島県の平均気温より若干高く表れています。

太陽光発電は気温が高すぎると、発電効率が下がる傾向があるため、ニューデリーでは、発電効率が南の地区と比べて、やや落ちてしまうように思います。

しかしながら、他の地区では温度が年間でほぼ一定で推移しており、設備環境の整備がしやすく、発電効率が高く発電に対する原価は低水準であると想像できます。

インドでは、雨季があるため一概には言えませんが、アジューレのパワーポイント資料にあるように、太陽光の発電効率が高く低廉なエネルギーの創造につながっていると想像できます。

AZREの業績

先に上げた気温の資料にあるように、インド国内に地域的に分散された太陽光発電設備を持っており、これが安定した収益を生んでいることが分かります。

出典:マネックス証券

太陽光発電設備の中で、電源の変換機能は消耗品となり交換が必要になります。

しかし、大きな面積を占める太陽光パネルは“半永久”に持つものなので、作ればつくるほど利益を生んでくれるストックビジネスです。

このストックビジネスが主力となっているため、収益のブレがなく安定して右肩上がりです。

投資家への宣言通り、将来に向けての投資も行っており、2020年から2025年に向けては年平均成長率で32%の運用設備の増加を見込んでいます。

今後の業績予想

Azure Powerの投資家向けプレゼン資料の抜粋です。

出典:(左)Azure Power

「インドの太陽光発電に対するアドバンテージ資料」を嚙み砕いて略し、+αで解説します。

  1. 電気使用量の増加が見込める
    一人当たりの電気消費量はアメリカで13.1ⅯkWh、中国の4.9ⅯkWhとなります。
    それに対して、インドについては1.0ⅯkWhと低いため、今後確実に電気使用量は増加します。
  2. 太陽光発電の環境
    インドの日照時間は長く、1㎡あたりの発電量は5.1kWhとなります。発電種別のセグメントでは、太陽光発電がいまだ8%と低い比率であり、開発余地は十分です。
  3. 電源開発余地が多い
    太陽光発電で行われる潜在的な発電総量が750GWがあります。現在は38GWの設備容量しか無いため、電源開発余地が700GW超もあります。
  4. 発電コストが安価
    一般的に安いとされる石炭(Coal)と比べても1/2弱と安価である。また、同社は世界で最低コストの電力生産者になることをミッションに掲げています。
  5. インドの国策
    2030年に450GWの再生可能エネルギーを目指しており、これを達成するためには年間平均で約32%の成長をしていく必要があります
  6. その他(需要と供給の一致)
    インドの需要のピークが夏に最大となります。
    それに対して、期待出来るソーラー発電量についても夏がピークとなります。

アジューレの将来

2022.3.8にウクライナ侵攻したロシアへの制裁として、米国を起点として禁輸が始まりだしました。ロシアは天然ガスや原油など輸出大国であるため、世界の市場は価格が高騰しました。

これを背景に、電気自動車や化石燃料を使わない発電方法の重要性が再認識されました。これに加え、人口分布が釣鐘型つまり、増加傾向にありますので、エネルギー需要は伸びることが確実であり、同社が業績を伸ばす環境は整っています。

まとめ

  • インドは日照時間が長く太陽光発電に適し、同社はシェアが大きい
  • クリーンエネルギー比率が6倍を目指す国策銘柄
  • 原油、石炭、天然ガスの国際的な値上がりがクリーンエネルギーへ追い風

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