インドは少子高齢化を迎える中国を抜き去る勢いを見せています。日本の証券会社でも投資が可能な一般消費財(Consumer Discretionary)であるタタ・モーターズ(TTM)を分析してみました。
タタ・モーターズ(TTM)基本データ
社 名 | Tata Motors Limited. |
本 社 | インド ムンバイ |
ティッカー | TTM(NYSE) |
セクター | Consumer Discretionary:一般消費財 |
創 立 | 1945年 |
上 場 | 2004年(NYSE) |
時価総額(USD) | 15.606 Bil(2021.7.9) |
事業内容(タタ・グループ)
タタモータズはインド3大財閥のひとつのタタ・グループの会社です。
タタ・グループは経済界だけではなく、政治的にも大きな影響力を持っています。
タタ・グループとしては持株会社タタ・サンズ、タタ・インダストリーズを通して、7つの本業セクターで91の会社を経営しています。
なかでも、自動車産業はグループの中核として位置しています。
自動車販売の競争力は強く、商用車の国内シェアは約45%と圧倒的です。
(乗用車のインド国内1位は”マルチスズキ”です。)
タタ・グループは経営破綻した大宇自動車(韓国GMのトラック部門)を2004年に買収し、
さらに積極的なM&Aで2008年6月には米フォードの「ジャガー」と「ランドローバー」ブランドを23億ドルで買収しています。
TTMの業績
2018年の“世界自動車メーカー売上高ランキング”では、スズキ(16位)マツダ(17位)を超える第15位になるまで売り上げを伸ばしました。
セグメント構成
セグメント構成(2021.3) |
収 入 (百万INR) |
比 率 |
Jaguar Land Rover (ジャガー ランドローバー) |
1,926,617 | 77.6% |
Tata and other brand vehicles (タタ と その他のブランド) |
497,124 | 20.0% |
Vehicle Financing (自動車融資) |
41,802 | 1.7% |
Others |
16,089 | 0.7% |
出典:マネックス証券の銘柄スカウターよりデータ加工
タタモータズと聞いたら、『安い車』というイメージがあります。
2008年に“タタ・ナノ”という世界最安の10万ルピー(当時の約28万円)が発売されました。
この破壊的な価格で一斉にタタモータズの名が知れ渡りました。
タタモータズは”タタ・ナノ”のイメージがつよく、安全性について疑問点がありました。
しかし、”ジャガーランドローバー”という象徴的なブランドも擁して、その弱点を補完するだけでなく、高級車の高利益率で利益拡大に寄与しました。
近年について
2020年度の乗用車販売は前年比2.2%の減少となり、自動車産業に影響がありました。
タタモーターズの乗用車販売台数は約62.1%の増加となり、(2019年度比)増加の要因は新車種の積極的な導入でした。
2020年度の乗用車国内販売台数
1位 マルチ・スズキ:1,293,840(▲8.5%)
2位 現代:471,535(▲2.8%)
3位 タタ・モーターズ:224,109(62.1%)
※インド自動車工業会:SIAMより
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