こんな疑問がある方のために、記事を書きました。
市場にどれだけ恐怖があるの?
Fear&Greed Indexって何?
この疑問を解決する記事を書きました!!
株式市場で大きな調整があった時に、「いつまで下落が続くのだろう?」と”不安”にかられますが、逆に「そろそろ仕込み時か?」と逆張り的な買いを狙ったりすると思います。
他人が貪欲なときは恐れ、他人が恐れているときは貪欲になりなさい。
ウォーレンバフェット
株式投資で儲け方は、多くの投資家が市場から撤退した時に株式を買い進め、ニュースに「最高値更新」が報じられ、皆が楽観的な時に売却することで、儲けることができます。
ところが現実はそう甘くありません。底だと思っていて購入したけど、想像以上の長期に渡り下落し続けることがあります。
でも、もし株価の『底』がわかったら、購入すると株価が上がります。Fear&Greed Indexは恐怖レベルを現した指数となり、逆張りのタイミングを測るのに適しています。
過去を振り返ると、市場全体に恐怖が広がった“リーマンショック”や“コロナショック”が起きた時にFear and Greed Indexの値がとても低い値を示していました。
そこで、この記事ではFear and Greed Indexを構成する要素と、数値からみる株式の売買タイミングについて解説します。
それでは、Fear&Greed Indexを作成する企業や指数を構成する要素から確認します。
Fear&Greed Indexとは 逆張り指数です
『Fear&Greed Index』はCNN〔2〕という米国のメディア会社によって提供されています。Fear&Greed Indexは7つの要素から、この指数を算出しています。
〔2〕CNNは米国のケーブルテレビ、衛星放送のメディア会社です。1980年に世界初の24時間放送するニュース専門として設立された企業です。
指数を構成する『7つの要素』の一つに“VIX”や“S&P500の乖離”が入っているため、S&P500〔3〕を取引する方は、是非参考にしたい指数です。
〔3〕SP500とは:米国を代表する指数で、各セクターを代表する企業が約500銘柄選ばれた指数です。
「Fear&Greed Index」の日本語訳
Fear&Greed Indexを日本語で訳すと『恐怖強欲指数』と訳されます。恐怖がfear、強欲がgreedとなります。
・greed=強欲(買われやすい)
指数の構成要素
指数を算出するときの構成要素は以下の7項目あります。
- 市場の勢い(Market Momentum)
S&P500と125日移動平均の乖離 - 株価の強さ(Stock Price Strength)
NYSEで52週の間に高値 vs 安値を更新した銘柄数 - ジャンク債の需要(Junk Bond Demand)
適格債とジャンク債の利回りの差。(各国が低金利なので影響なし) - 株価レンジ(Stock Price Breadth)
上昇している株と、下落している取引量の差(祝日などを考慮する) - ボラティリティ(Market Volatility)
VIX指数 - リスク回避需要(Safe Haven Demand)
株式と債権のリターンの差 - プットとコールオプション比率(Put and Call Options)
過去5日のオプション比較(ショック時以外は大きく動かない)
Fear&Greed Indexの使い方
Fear&Greed Indexは、投資家の感情が「恐怖」か「強欲」のどちらに振れているのかを表しており、テクニカル分析として使う指数です。
Fear&Greed Indexの優れている点は、『恐怖を数値化』で表すことができたこと。
恐怖の数値化を実現した事により、過去と比較が可能となり、株価の過熱感や恐怖が一つの物差しで測れるようになりました。
具体的にどうやって使うの?
使い方としては、「大衆の感情を把握し、自分の感情を客観的に受け止める」ために確認します。
自分の感情が大衆と同じであれば、大口投資家のカモになる可能性があるため、冷静な取引ができるようになります。
こちらに公式サイトを貼っておきます。CNN Business「Fear&Greed Index」
Fear&Greed Index「数値の評価」
左に傾いていれば『恐怖』、右に傾いていれば『強欲』となります。
この数値は「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を見極める指標〔4〕として用いられ、主に逆張り投資の際に効果を発揮します。
〔4〕「オシレーター」指標とも言われる
極端に恐怖に傾いている時には、市場が『底付近』となっており、これから『大底』へ向けて動き出す頃となります。
恐怖とは逆に、強欲となっている時には、市場が過熱していますので、天井が近いサインとなり、下落に転じやすくなります。
過去の数値から売買タイミングを探る
『強欲』なのか『恐怖』なのかを計る時に、過去の数値を確認することでそのレベルを認識することが重要となります。
過去にさかのぼり、参考としたい時にはチャート表示にすると直観的に把握しやすくなります。
チャート表示の切替
チャート表示させるときは、上の画像右上の『Timeline』をクリックすると切替できます。
Fear&Greed Indexの数値分析
(下の画像は刷新される前のチャート表示となります。そのため、現行表示と若干異なります。)
過去の数値から20付近となれば恐怖が強く、80付近であれば楽観的であると言えます。
直近3年間のチャートが同サイトに掲載されています。
過去を振り返ると、市場全体に恐怖が広がった“リーマンショック”や“コロナショック”が起きた時にFear and Greed Indexの値が『1』を付けました。
指数が「1」の時は株式の“底”と一致していませんが、1を付けたのはコロナ禍による世界保健機関(WHO)のパンデミック宣言がされた約10日後でした。〔1〕
〔1〕:Fear&Greed Indexが「1」を付けたのが2020.3.11に対しS&P500の底は3.23でした。
つまり、この指数に着目すれば底付近で株を買うことができます。
それなら…
「1」になるまで待とうかな
ただし実際に、数値が『1』になる事は稀で数年間待つことになります。
長期チャートの表示方法【裏ワザ】
CNNのページは、3年以上遡ってみる事ができません。
しかし、『tradingview』であれば過去20年程度遡って表示する事が出来ます。
こちらの記事でFear and Greed Index 過去20年のチャート表示方法を解説しています。
投資判断(売買指標)と使い方
指数の数値が極端に偏っている時に売買判断の判定基準の一つとしたり、株式市場の暴落時にどのくらいの恐怖レベルがあるかを把握するのに役に立ちます。
指数の使い方にも記載したように、あくまで『テクニカル分析』(心の動き)によるため、短期投資枠での投資に適しています。
投資のバックテスト
英語となりますが、『W3DATA』というサイトに3パターンにわけたバックテストが載っています。
Aパターン
45以下➡買い、55以上➡売り
取引数:10回
勝敗:8勝、2敗
Total return:72.49%
シャープレシオ:0.13
Bパターン
46以下➡買い、75以上➡売り
取引数:6回
勝敗:5勝、1敗
Total return:88.03%
シャープレシオ:0.10
Cパターン
25以下➡買い、55以上➡売り
取引数:6回
勝敗:6勝、0敗
Total return:51.1%
シャープレシオ:0.11
シャープレシオは大きいほど優れていますが、3パターンいずれも低すぎます。
そのため、この指数のみで売買判断とするのはやめた方が良いでしょう。
この3パターンで特に参考となるのが、Cパターンが勝率100%のところです。
Cパターンのように『極端な恐怖』にかられている時の”買い”はよっぽどの事が無い限り、負け知らずとなりそうです。
元のデータはこちらのサイトです
➡Fear&Greed Indexのバックテスト(英語)
サイトが見れない時
Fear&Greed Indexは、相場が大きく変動した時に閲覧数が伸びます。
つまり、暴落時など変動が大きく振れた時は、アクセスが逼迫して、サイトが開かない時があります。
CNNサイトが開かない時には、CNN マーケットのページでも指数だけ載っています。やや誤差があるのは否めませんが、ページの一部に指数だけ乗っているので参考にしてください。
Fear&Greed Indexについて まとめ
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
どんなオシレーターにも言えることですが、一つの指数だけではなく複数の指数から方向性を判断すれば、大きな利益を残したり、大きな損失を防ぐことができます。
こちらに公式サイトを貼っておきます。外部リンク【Fear&Greed index】
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