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「新NISAの闇」日本政府の真の企み

日本株

新NISAの真の狙いは?

増税とかあるのでは??

昨年12月に税制改正大綱が発表され、その中でNISA制度が神改正されました。しかし、「新NISAに飛びついて損するのでは!?」と思ってしまいます。

そこで、新NISAについての政府の狙いについて考えてみると、二つの側面から新NISAを進めたい政府の思惑が見えてきました。

この記事では、日銀が発表している信頼できるデータから、わかりやすく解説していますので、最後までご覧いただけると嬉しく感じます。

Check Point
  • ”日銀”や”GPIF”が株式の売却を始める
  • 家計の”預金”10%が市場に流入すると影響は大きい
  • 新NISAは”買い”の起爆剤となる

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日本政府の企み

日本政府は「貯蓄から投資へ」を合言葉に日本の家計に眠っている貯蓄を日本市場に移したいのには、理由があります。

その理由は、『確定している”売り”を支える”買い”が必要』でその買いを国民に背負わせたいからです。

\日本の貯蓄総額推移
出典:日本銀行(資金循環
東証規模と家計の預金
・東証全体で約819兆円(2023.6.9)
・家計の預貯金約1,000兆円
東証は家計の80%程度

では次に、なぜ日本市場の売りが確定しているのかについて解説します。

  • 日本政府は国民に株式を買って欲しい

GPIFの資産取り崩し

GPIFってなに?

ぜんきち
ぜんきち

年金を運用している公的機関です

GPIFとは:将来年金の担い手が減少し、それに伴って年金支給額が減らないように、資産運用する機関。年金積立金管理運用独立行政法人

GPIFは将来減少する年金額の「減少幅」を小さくするために資産運用している機関です。

\GPIFのアセットアロケーション/

ご覧の通り、1/4づつに分かれており、債券と株式はカウチポテトポートフォリオと同じ50%づつになっています。

GPIFの目標利回りは『賃金上昇率+1.7%』で2001年からは3.78%の利回りで運用できています。

上のポートフォリオで注目したいのが、日本株への投資が25%つまり、約50兆円の資産が投資されています。

  • 所有する日本株は約50兆円

GPIFが売却する資産額

2021年の歳出額は約52兆円(厚生年金48.4兆円、国民年金3.7兆円)となります。

出典:GPIF
取り崩される量
積立金から得られる財源
➡不足されると見込まれる金額

仮に、今後の毎年の歳出を52兆円(2021年)とすると、歳入で補うことができない額が、約10%程度(約5兆円)となります。

5兆円の25%が日本株となりますから、1.3兆円の売り圧が発生します。

この1.3兆円が毎年必ず売られる『日本株となります。

\GPIFの日本株売りの規模感/
東証の時価総額
・東証全体で約819兆円(2023.6.9)
・日本市場の0.1%程度の売り圧で影響は小さい

東証時価総額の内訳(プライム市場 795.4兆円スタンダード市場 23.5兆円)

また、外国株についても売られますので、日本株と同様に1.3兆円が『円高』に働きます。

  • 1.3兆円の売り圧が2034年ごろから発生

日銀の買い入れETF

年金だけではなく、日銀も日経平均と連動するETFを購入しています。

どれくらい買ってるの?

ぜんきち
ぜんきち

約53兆円(時価)となります

ETFの購入
世界を見渡しても、ETFを購入している中央銀行は日本だけです。

なんのETFを買ってるの?

ぜんきち
ぜんきち

ほぼTOPIXです

購入初期にはTOPIX75%、3指数(TOPIX,日経225,JPX日経400)25%で購入していましたが、2021年4月1日からはTOPIXが100%となりました。

市場から見て保有規模は?

ぜんきち
ぜんきち

約7%です

植田日銀総裁はETFの売却を考えていないと明言されていますが、市場に与える影響は少ないと見えますが、売却を匂わせただけで、日本市場における海外投資家勢が逃げ、急落の恐れがあります。

実際に、日銀自体も市場に悪影響がない額として『3,000億円を公言しています。

実際に3,000億円で売却を進めると、171年の月日をようするため現実的ではありません。つまり、「日銀のETF売りは悪影響を及ぼす可能性がある」という説明の裏返しとなります。

  • ETFの売りは悪影響

日銀の保有するETFの推移

日銀のETF購入は白川日銀総裁の2010年12月に金融緩和の一環として始まりました。当初、購入上限を4,500億円とし、2013年4月に黒田日銀総裁へ変わってからは、年間1兆円と異次元の緩和が発表されました。

その後、購入上限額が徐々に上昇し、現在の37兆円(簿価)で横這いで推移しています。

簿価とは:購入した金額の事で、含み損益は含まれていない金額の事

\日銀のETF保有推移(簿価)/

最近の買い入れは、2023.3.13から2日にわたり、701億円の購入がされています。この購入は米国の銀行破綻に伴う対応となり、ETFの購入は約2年ぶりとなります。

  • 約37兆円(簿価)で買い止め

日本政府は株式を売りたい

先述した、日銀が購入したETF年金の原資創出のために、日本株の売却する必要があります。

しかし、政府側の売却が直接関係していなくても実際に急落が起きると、その原因として政府側の批判は避けられません。

そのため、株式の「売り」を相殺する「買い」が必要となります。

\日本,米国,ユーロ圏の家計資産構成/

出典:日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』(2022年8月31日発行)データ加工
出典:日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』(2022年8月31日発行)

政府は、株式などの「有リスク資産」割合を、15%から30%へ上げようとしています。これを預金額に充てると、約150兆円となります。

150兆円の買いが入れば、政府側の売りの存在がかなり小さくなります。

国民全体が投資を行なう起爆剤に、新NISAがなることが期待できます。さらに、新NISAは買いの上限額が決められているため、長期間で日本国民による買い支えが期待できます。

新NISAで海外の株を買ったら意味がないのでは?

ぜんきち
ぜんきち

良い質問ですね!

新NISAで海外株の資金に充てられたら、政府側へメリットがないのでは?と思いますが、実は別のメリットがあります。

  • 新NISAで投資を一般化して欲しい

新NISAで海外株を買う日本のメリットについて

新NISAは米国株などの海外株式を購入することができます。そのため、政府側の売りに対する相殺は直接的な効果は期待できません。

しかし、海外への投資は政府側にとってプラス効果があります。

なんで?

ぜんきち
ぜんきち

為替の効果です

円貨で米国株式を購入すると、円を売ってドルを買ってから投資することになります。この両替は、円安方向へ働きます。

もちろん、売却したら円高方向に働きますが、現在の家計の資産配分から見ると、株式の買い優勢になるのは、間違いありません。

円安となると、輸出企業が比較的多い日本にとってメリットがあります。

  • 海外株の買いは円安効果

新NISAの課題

ただ一点、新NISAと政府の思惑が一致していない点は、売却すると簿価分で再投資できるという点です。

この辺は売却しても、実際にお金が引き出せないiDeCoの方が政府の思惑に一致するため、iDeCoについても何らかの制度改正が期待できます。

ぜんきち
ぜんきち

投資を市場に置き続けることが重要

国民全体のマネーリテラシーを上げて、「超長期運用が素晴らしい」という考えを定着させる事が求められそうです。

こちらの書籍は市場にお金がない日が数日間で収益が大きく下がることを解説した書籍です。初心者でも読みやすい書籍です。>>「敗者のゲーム」の要約

  • 年金・日銀による日本株の売却が始まる
  • 家計の10%の流入で市場の影響は大きい
  • 新NISAが「貯蓄から投資へ」の起爆剤となることを望む

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