積立投資は投資信託が良いって聞いたけど本当?
具体的に経費の差を知りたい!
前回の記事で、一括投資における経費の差を紹介しました。その結論は、『配当金の課税影響が大きく』投資信託が優位という結果でした。
・米国10%
・日本18.2835%(20.315%)
では、積立投資の場合はどうでしょうか?一括投資と若干の差はあるものの、結果は積立投資も投資信託が優位となりました。
一括投資との大きな違いは、積立投資では金額が少額から積み上がっていくという所です。
この記事では、様々な投資信託に対して万能となる『汎用表』を作成しました。この汎用表で、”どんな投資信託”でも簡単に比較することができます。
一括投資における汎用表を確認したい方はこちらから確認できます。>>一括投資の投資信託 vs ETF比較
もし、参考になったと思われたら、友人や親戚に “SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
汎用表の紹介【積立投資の早見表】
百万単位もお金がないから、一括投資はキビしい…
積立投資での汎用表を紹介します
実際に数百万円~数千万単位を一括で投資できる方は”極めて少数”となります。そこで、毎月積立投資における汎用表を作成しました。
2024年から始まる新NISAにおいては、毎月に均すと30万円を上限に積立投資が可能です。(積立枠10万円+成長投資枠240÷12ヶ月)
下図の例は、毎月5万円での積立例となりますので参考にしてください。
・資産の上昇利回り:5%
・外国税額控除:80%
・列:投資信託の「信託報酬」とETFの「経費率」を引いた値
・行:ETFの配当金利回り
ETF | 投資信託 | |
譲渡益の税 | 20.32% | 20.32% |
為替手数料 | 0.06(片道) | なし |
買付手数料 | なし※1 | なし |
売却手数料 | 0.0495%※2 | なし |
配当金の税(米国) | 2~8.5% | 10% |
配当金の税(日本) | 18.2835~ 20.315% |
なし |
※1:買付手数料が無料の理由:証券会社のキャンペーンにより、VOOが無料のため。買付手数料無料のETFはこちら>>買付手数料無料のETFについて
※2:売却手数料は22$を上限に0.495%(税込み)で算出
こちらの表からわかるのは、積立投資をした場合における、ETFと投資信託のリターンの差です。プラス(緑)であれば投資信託が優位。マイナス(赤)であればETFが優位となります。
- Q投資信託の保有額に対してポイントが貰える場合はどう見ればよいのか?
- A
信託報酬額から減算して考えます。つまり、列の経費率との差が小さくなり左へ動きます。
- Q外国税額控除を80%で見ている理由は?
- A
外国税額控除は年収によって受けられる節税額が変化します。一般的には80%も受けれる方が少ないですが、一括投資により比較するため、80%としました。
- QETFを購入する時の為替コストは?
- A
一ドルあたり往復0.12円で考えています。(SBIネット銀行片道0.06円)ちなみに、マネックス証券の場合は往復0.25円、楽天証券は0.5円で考える必要があります。
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汎用表の使い方
数字ばっかで目まいが…
わかりやすく解説します
- Step1投資信託とETFの経費差
↔の数値を導き出します。
<経費率の差>
・eMAXIS Slim S&P500
0.12%(隠れコスト込)・VOO
0.03%
→経費率の差『0.09』POINT※投資信託は隠れコストも含めて考えます。 - Step2
- Step3表にあてはめる
使い方はわかったけど、調べるのが面倒
次に主要なETFを記載します
主要な比較一覧
・資産の上昇利回り:5%
・外国税額控除:80%
・列:投資信託の「信託報酬」とETFの「経費率」を引いた値
・行:ETFの配当金利回り
結論としてETFで有利になるのは「QQQ」のように配当金が少ない投資先で、投資信託が有利になるのは「VOO」などの1%以上の配当金が大きい商品です。
このような結果になるのは、ETFと投資信託で発生する『経費の差』や『配当利回り』が異なるからです。
「一括」と「積立」の比較
下の図は一括投資における比較表と積立投資の比較表となります。
積立の方が、緑が多い?
投資する金額が少額となるため、このようになります
積立投資は投資資金が徐々(毎月)に追加されるので、ETFとの経費差や投資利回りに対する課税の影響が、投資初期において小さくなります。
【投資初期の影響度】
(為替手数料、売買手数料)>(経費差、配当金の税)
投資後期では、積立で投資する影響が小さくなるため、影響が逆転し一括投資の運用とほぼ同じとなります。
【投資後期の影響度】
(為替手数料、売買手数料)<(経費差、配当金の税)
「一括」と「積立」を比較してわかること
手数料が低い優れた投資信託で運用すると、月並みな結果ですが、「一括」「積立」のどちらも投資信託が向いています。
投資信託をベースとし、部分的にETFを取り入れると効率よく資産運用ができます。
投資信託よりETFが優れているケース
一部となりますが、ETFの方がコストを抑えることができる商品もあります。こちらはコストを小さくなるETFの特徴です。
・低利回り:0.5%の利回り商品の場合
・手数料:買付手数料無料
大金を投資すると優位となる理由にはSBI証券では買付手数料の上限が22$と決まっているからです。
・4444$×135円(為替)≒60万円
この他に買付手数料が無料のETFも存在します
”買付のみ”ですが、手数料無料の商品があります。
ETF | SBI | 経費率 | 特徴 |
VT | 〇 | 0.09% |
全世界の先進国株式市場及び新興国市場へ幅広く投資
|
VTI | 〇 | 0.03% |
米国株式市場の投資可能銘柄ほぼ100%に投資
|
VOO | 〇 | 0.03% |
米国大型株を投資対象とする、S&P500 指数に連動
|
QQQ | 〇 | 0.20% |
米国株価指数の中で最も主要なものの1つであるNASDAQ100に連動した指数
|
GLDM | 〇 | 0.10% |
現物の金や地金に裏付けられているETF。GLDより少額で取引可能
|
SPYD | 〇 | 0.07% |
S&P500高配当株式指数に連動しているETF
|
VGT | 〇 | 0.10% |
情報技術セクターへ投資するETF
|
AGG | 〇 | 0.03% |
米国の投資適格債券市場全体へ投資できるETF
|
EPI | 〇 | 0.85% |
中国の次に注目されるインド株への投資する
|
IYR | 〇 | 0.39% |
米国市場に上場しているREITに分散するETF
|
買付手数料を抑える方法は、この他に各証券会社のキャンペーンで無料の商品があります。>>買付手数料無料のETF
不利でもETFを選択するケース
投資信託が優れていると理解していても、ETFを選択するケースは以下のメリットがあるからです。
・リアルタイミングで取引が出来る
・ETF売却後にドルのまま保有することができる
ETFは投資信託と異なり、外貨決済〔1〕が可能です。
外貨決済できるメリットは?
売却後にドルを円に両替する必要がありません。そのため、そのまま別の米国株へ投資する原資として使うことができます。
〔1〕:外貨決済とは、海外の投資商品を決済した後に「円」へ両替せず、当該国の通貨に留めておく決済手法です。
外貨決済を使えば、円高時にドルへ替えておき、優良銘柄が割安なタイミングを狙うことができます。
為替変動を考えると、投資信託とETFの比較によるコストは誤差のように考えられます。
・円安:2022.10.21 151.95円
円高と円安の差を考えると、約50%もの差があります。ドルを割安で替えることができる点は、投資信託にないETFの大きなメリットです。
「一括」と「積立」の併用
手間のかかる手法となりますが、趣味で投資を行ないたい方は、一括と積立投資の併用運用も一考の価値があります。
・趣味:米国の個別銘柄へ中長期投資
併用のデメリットは資産管理が若干複雑化するところです。この手間は趣味で投資を行なうことができる方にはデメリットとはなりません。
また、趣味で投資を行なうのは人生にプラスに働きます。
(PER、ROE、ROA、テクニカル分析)
・財務諸表を確認して企業を調べる必要がある
・財務諸表を読む知識がビジネスマンの知識として必要不可欠
財務諸表を読むことで、自社企業のコア製品を意識することができたり、取引先が力を入れている部門や世間話にも使うことができます。
積立投資に適した手法
以下の投資信託は投資信託による積立投資がオススメです。
投資信託はどの証券会社においても、積立投資設定が用意されており、一度設定さえしてしまえば、手間をかける必要はありません。
ETFによる積立投資をするには、コストを抑え、手間を小さくするためにSBI証券を使うことをオススメします。
- Step1外貨積立設定
SBIネット銀行で「外貨積立設定」を行う。
※手数料1ドルあたり0.03円
(SBIネット銀行は外貨へ両替する手数料が最安です。) - Step2外貨自動振替
SBIネット銀行の「米ドル定期自動入金サービス」を利用する。
- Step3ETFの定期買付設定
SBI証券の「ETF定期買付サービス」の設定実施
※米国株の設定となります。
外貨の積立は円での設定となります。ETFの買付金額を考慮すると大きな金額が必要です。
<ETF設定>
設定方法は1株づつなのでとなり、1株あたり1.5万円程度必要(VT)となるため、大金でないとドルコスト平均法で購入できません。
ETFを積立投資する際に注意する点は、大きなお金で積み立てる必要があるという所です。
小さな金額で積立投資を行なうと、株価の下落に合わせて株を沢山保有することはできず、持ち株の平均単価を減らす効果が限定的になります。
ETFの積立は初心者向きでありません
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
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