人気な投資信託ってなに?
日本人向けの投資がしたい
今、個人投資家に大人気な投資信託は「SBI日本株高配当株式」です。この投資信託は設定後のたったの7日で純資産額が100憶円を突破しました。
この資金が流入するペースは大人気となった「楽天S&P500」の約1ヶ月で100憶円を大幅に上回るスピードです。
なんで、そんなに人気なの⁉
人気な理由を簡単に言いますと、「コストが圧倒的に低く、値上がり益も見込める」という所です。
今回の記事は、この「SBI日本高配当株式」の魅力と注意ポイントについて解説します。
もし、参考になったと思われたら、友人や親戚に “SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
日本株と高配当
配当金は企業収益の分配となります。そのため、高い配当金を出す銘柄は価格が伸びにくくなるのが通常です。
下のチャートは全世界株の「高配当株指数」と「時価総額平均」のチャートになります。
2023年の指数と高配当の配当金の差は1.81%となります。
配当金で支払われた資金は資産増加の恩恵を受けませんので、それだけトータルリターンを下げてしまいます。
ちなみに、トータルリターンが悪化するのは米国株でも同じことが言えます。
こちらは日本株式の比較です
続いて、日本株の高配当と時価総額平均加重の比較を見てみましょう。
高配当の方がトータルリターンが大きい!
近年、日本企業がPBRの1倍割れを解消するために、株主還元が行われたことも手伝って、日本株は高配当株の方がトータルリターンが大きくなっています。
つまり、高配当株投資は手厚いインカムを享受し、キャピタルゲインも見込めるという状態になっています。
日本株はキャピタルとインカムの両方が狙えます
新NISAと「高配当」の相乗効果
今回紹介する、「SBI日本高配当株式」は新NISAとの相乗効果もあり、現在人気急騰しています。
新NISAが関係あるの?
「配当金」(分配金)について関係があります
新NISAの魅力は、配当金に課税されないことや売却した時の利益に対する課税がないことです。
しかしながら、商品によっては配当金に課税されてしまうものがあります。
配当金へ課税されないためには、配当金の受け取りを「株式数比例配分方式」とする必要があります。
※投資信託の場合は選択不要です。
新NISAの節税効果が絶大
新NISAはあくまで国内税制が免除されるだけなので、投資商品が海外投資を対象とするものですと、国外税制が適用されます。
この課税は投資信託であっても例外はありません。
〈例〉
外国税率10%の場合、最大80%程度が控除される
人気が急騰している「SBI日本高配当株式」は投資先が国内株式となるため、分配金に対する課税がありません。
この他に為替リスクが発生しないのもメリットの一つになります。
新NISAでは「成長投資枠」
新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。
SBI日本高配当株式は詳しくは後述しますがアクティブファンドとなりますので、現在は「成長投資枠」でのみ投資が可能となります。
「つみたて投資枠」となるためには、最低でも5ヶ年の月日が必要となります。
【投信解説】SBI日本高配当株式
SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型) |
|
運用会社 | SBIアセットマネジメント(株) |
方針 | 予想配当利回りが市場平均より高い銘柄へ投資 |
設定日 | 2023年12月4日 |
分類 | 国内大型ブレンド |
決算頻度 | 年4回 |
信託期間 | 無期限 |
分配金 | 1月,4月,7月,10月の各10日 |
純資産総額 | 207億円(2024.1.9時点) |
販売手数料 | 0% |
信託報酬 | 0.099% |
信託財産留保額 (売却手数料) |
無料 |
上の情報詳細はこちらの資料を参照しました。>>交付目論見書
競合する投資信託の比較
SBI日本高配当株式は投資信託で「無敵状態である」と言えます。
・日本好配当リバランスオープン 0.91%
・日本好配当株投信 2.07%
・ダイワ日本好配当株ファンド 1.38%
・みずほ好配当日本株オープン 1.21%
・好配当日本株式オープン 1.21%
・日経平均高配当利回り株ファンド 0.69%
信託報酬額が桁違いに安い!
購入手数料が無いのもポイント高いです
信託報酬が他の投信の10分の一という、コストが桁違いに安く、売買手数料も無料です。
比較対象となり得る投資商品は「国内ETF」くらいです。
SBI日本高配当株式 | 日経平均高配当利回り | 1478 | |
ベンチマーク | なし | なし | MSCI Japan High Dividend Yield |
運用会社 | SBIアセット | 三菱UFJ | BlackRock |
加重方式 | 均等加重 | 不明 | 時価総額 |
信託報酬 | 0.099% | 0.693% | 0.209% |
販売手数料 | 0% | 2.20% | 0% |
売却手数料 (信託留保額) |
0% | 0% | 0% |
分配回数 | 4回 | 2回 | 2回 |
投資信託が好まれる理由は、国内ETFよりも経費率が低いところに加え、投信保有によるポイント付与がありますので、経費率に圧倒的差が生まれます。
ただし、投資信託には隠れコストが存在します。隠れコストについて詳しくはこちらの記事を参照ください。>>隠れコストについて
【商品詳細】SBI日本株高配当株式
コストが安くても商品の中身が伴っていれば投資対象となりませんので、商品の詳細を解説します。
・これまでの最安ファンドは「日経平均高配当利回り株ファンド」の0.693%(税込)
2.配当利回りが高い4.57%
・TOPIX平均で2.20%(2023年12月時点)
3.バリュートラップの回避
・収益性やガバナンスを考慮して銘柄選定
この投資信託はアクティブファンドとなりますので、ある基準の基に銘柄が選定されています。選定基準は以下になります。
選定基準の「30銘柄」「平均加重」が分散効果があるのかを次に解説します。
分散効果の真偽(30銘柄)
結論的には、30銘柄の分散投資はリスクの低減効果が見込めます。
10銘柄までは銘柄数を増やすほどリスク低減効果が見られます。一方、30銘柄程度からリスク低減効果が小さくなっております。
リスクはどれくらい下がるの?
50%の低下が限度です
「株式」という同じ資産で、いくら分散しようとも50%までが限度ということも示しています。
もっとリスクを下げる方法はないの?
別の資産へ投資が必要です
リスクを低減させるためには、相関が小さい資産へ分散投資するのがベストです。別の資産への投資の効果はこちらの記事で解説しています。>>収益が上昇する資産分散について
均等加重のリスク低減効果
均等加重ってなに
株式毎の投資割合を同じにする意味です
時価総額加重平均では、過大評価されている企業を多く保有してしまうデメリットがあります。
一方、均等加重では30銘柄であると全て3.33%で小型株の割合を大きくすることになり、収益が上昇しやすい傾向があると言われています。
下に時価総額加重ETFと均等加重ETFによる各指標を比較できるよう、表でまとめました。
VOO | RSP | |
加重方式 | 時価総額 | 均等加重 |
リスク (標準偏差) |
15.19 | 16.63 |
収益率 10年平均 |
12.06% | 10.01% |
最大下落率 | 23.90% | 26.63% |
シャープレシオ | 0.74 | 0.58 |
1年配当利回り | 1.46% | 1.64% |
VYM | SPYD | |
加重方式 | 時価総額 | 均等加重 |
リスク (標準偏差) |
17.30 | 23.26 |
収益率 5年平均 |
10.23% | 7.04% |
最大下落率 | 23.96% | 36.56% |
シャープレシオ | 0.57 | 0.36 |
1年配当利回り | 3.12% | 4.66% |
結論は、5年以上の投資を行なう場合、時価総額加重平均の方がリターンが優れ、リスクが小さくなります。
時価総額加重の方が優れています
それなら、なんで「均等加重」を採用するの?
時価総額加重平均法を採用すると、インカムが下がる傾向があります。
上の表の「VOO」と「RSP」を比較すると、配当利回りは均等加重の方が大きくなっています。
単純に考えると日本株についても同じようになりやすかったのでは?と考えられます。つまり、訴求ポイントとなる高配当を強く推しだすために「均等加重」としたように憶測します。
【注意ポイント】SBI日本株高配当株式
SBI日本高配当株式には2つの注意点があります。
・タコ足配当となる可能性あり
隠れコストが不明
全ての新しい投資信託に言えることですが、隠れコストが不明です。
隠れコストとは、運用後に確定する経費です。この、後で乗っかるコストを指しています。
隠れコストを推測する方法はないの?
このコストは、過去の運用実績から推測することができます。運用実績の見方はこちらを参照下さい。>>実績の確認方法
しかしながら、新しい商品では、純資産額が小さく、運用実績が乏しいため、どれくらいのコストが発生するか不明です。
アクティブファンドであれば、それなりのコストがかかることが想定できます。コンサバな投資法では、1年間の運用報告書を確認してから投資を行なうのが手堅い手法です。
タコ足配当となる可能性あり
投資信託の分配金は、投資信託の純資産の一部を配分します。分配金が支払われると、基準価格が下がります。
これは、企業が純資産を切り崩して配当金を配分するのと同じ仕組みです。
しかし、分配金は収益が無い場合、もしくは収益が小さい場合もその額を超えて支払われることがあります。
市場環境が悪くなり、基準価格が下落しても分配金があるのは、自分の資産を大きく減らします。
自分の資産を取り崩してでも、インカムが欲しいのか?ということについて、投資の前に考えておきたい課題となります。
この投信をオススメできる方
日本市場は、高配当投資でキャピタルが狙えると言っても、基本的にはキャピタルゲインの増加は難しいでしょう。
そうであれば、この投資信託を購入する目的は「安定的なインカムを得る」ことが目的になります。
つまり、老後に向けて資産形成をしたい層には不向きな商品となります。
中級者向け使い方
投資銘柄を確認することで、ある程度スクリーニングされた銘柄として使えます。
個別投資に使えます
投資信託は定期レポートが公開されていますので、その資料を確認すれば、新しく銘柄追加する理由や、投資銘柄を除外する理由がわかります。
日本株では、高配当銘柄がより上昇しやすいので、この方法が賢い手法となります。
【まとめ】SBI日本高配当株式
この投信は分配金を重視する商品となります。分配金(配当金)を狙う投資であれば、市場全体が弱くなった時が配当利回りが上昇して、本当の買い時となります。
これから、日本市場が盛り上がると想定する場合であれば、現時点で適切な買い場となる可能性もあります。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
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