こんな疑問がある方のために、記事を書きました。
ビットコインのETFを購入検討中の方へ向けて記事を書きました。
先物ビットコインは米国でETFの承認を受けました。
このETFは先物市場で取引されるビットコインのETFとなります。今回は『ビットコイン』の先物ETFにおけるメリットとデメリットについて解説します。
記事が、タメになったと思われたら、SNSやリンクで紹介して頂けると今後の励みになります。
ETF化の二大メリット
税率が低い
現物を所有する上での大きなデメリットは、利益が発生すると税制上『雑所得』となるところです。端的に言うと、利益が大きくなると、「累進課税額が増加する」ということです。
累進課税額は最大45%発生するので、“仮想通貨の売買益” + “給与所得” の約半分が税金として納める必要があります。
一方、ETFとなれば、株と同様な税金となるため、外国税額控除を適用すれば、日本の場合20.315%以上の税金が発生しません。
仮想通貨の流出リスクが無い
世界の仮想通貨取引所で毎年のように、流出事件が発生しています。詳しくはこちらの記事へ
現物を所有する場合は、個人の所有する『コールドウォレット』へ移しておかなければ、常に流出のリスクへさらされることになります。そして、個人でウォレットの管理が必要となっていました。これは地味に面倒です。
ETFの場合、そういった “手間” や “流出リスク” がありません。
ETF化のデメリット
経費率が高い
ETFは上場投資信託で手数料が発生します。今回採用されたETFは『先物ETF』となります。先物ETFの場合は ETF独自の “運用コスト” に加え “先物コスト” 2つのコストが発生しています。
運用コスト
ETFを運用するコストのことで、今回のビットコインのETFは、年率で約1%発生する見込みです。
先物コスト
先物市場ではファンディングコスト〔1〕が発生します。このコストは、ETFの購入者が間接的に支払う事になります。
具体的に、このファンディングコスト(以下 FR)は8時間ごとに、金利が発生しています。買いポジションが大きい場合は、金利を支払う事になりますので、経費が必要となります。
FRは8時間ごとにレートが異なりますので、厳密に言えませんが年率で約5~10%発生する見込みがあります。
〔1〕:デリバティブにおける資金調達コストのことをいいます。買いポジションが大きい場合は、ファインディングコスト(以下FR)がプラスとなります。プラスの時は買いポジションではFRを支払い、売りポジションではFRを受け取ることができます。
現物所有するだけで利息が付く
現物の場合は先物ETFと異なり、不必要なコストを支払う事がありません。
さらに、海外の取引所であれば、仮想通貨を預ければ、年率数%で利息を享受できます。経費を払うのではなく、逆に利益が生まれます。
先物の価格逓減
コンタンゴとは
“先物型”と呼ばれるタイプのETFでは、『コンタンゴ』の影響を少なからず受けます。
先物とは、株式と異なり「期日が設定されています」
簡単にいうと、買いポジションの場合、定められた期日〔2〕で強制決済(売却)されます。
『コンタンゴ』とは、期日が遠い先物価格の方が、期日が近い先物価格よりも価格が高い状態のことを言います。〔3〕
決済までの期日が遠いほど、価格の不確実性が増すため、先物価格が高くなる傾向があります。
コンタンゴの影響
こうした中、『先物ETF』はどのような運用が行われるのかと言いますと、期限が来る前に、期限が将来の物を購入し、近いものを売却する取引〔4〕を期限が来る前に繰り返し行います。
このとき、コンタンゴの影響を受けて同じ商品を “安く売って、高く買い直す” ことの繰り返す事になります。
この結果、長期に渡り保有すると、先物型ETFの価格が低減していくことに繋がってしまいます。
〔2〕:先物取引やオプション取引において、先物の期限が満了する月を『限月』(ゲンゲツ)と呼ばれています。
〔3〕:コンタンゴの逆の現象をバックワーデーションと言います。
〔4〕:ロールオーバーと呼ばれます。
ETF購入するのか?
“コスト” や “利益” を追求する場合は、『現物』での投資をオススメします。
しかし、ETF購入も考え方によっては有効です。
例えば、ETFで数%の手数料を支払ったとしても、ビットコインの価格変動が大きいため、気にしないという方であったり、短期~中期で取引を主とする投資を行う方の場合は購入の検討ができます。
まとめ
共に学んでいきましょう!それでは、また!!
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