経費率を安く投資したい
国内ETFはどれがいいのだろう?
「米国指数」や「全世界」というメジャーな投資を行なおうとすると、「ETF」と「投資信託」以外にも『国内ETF』という第三の選択肢があります。
実はこの『国内ETF』が最も経費率が小さくなります。
一見、表面的には投資信託以上に経費率が高く見えますが、為替コストが無いことや10月から売買手数料が無料になることで国内ETFが最も手ごろになります。
この記事で、国内ETFの「経費」について理解でき、主要な国内ETFについて解説しますので最後までご覧ください。
もし、参考になったと思われたら、友人や親戚に “SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
国内ETFの実質的な経費率
先日の記事で、経費を全て考慮すると、ETFに比べ投資信託の方が資産運用コストが低いと結論付けました。>>ETFと投資信託のコスト比較
ETFはそれ自体の経費は極めて小さいですが、経費がかさむ要因に「為替コスト」「売買コスト」がネックとなっていました。
これがSBI証券と楽天証券の売買手数料無料化により「国内ETF」を選択することで考慮すべきコストがなくなりました。
それでは早速、国内ETFの経費を見てみましょう。
投資先 | 銘柄コード | 信託報酬 (税込) |
隠れコスト込み |
S&P500 |
1557 |
0.0945% | 0.150% |
S&P500 | 1655 (ブラックロック) |
0.0770% | 0.132% |
S&P500 | 2558 (三菱UFJ) |
0.0770% | 0.132% |
S&P500 | 1547 (三菱UFJ) |
0.0858% | 0.141% |
→0.1044%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
→0.128%想定
※手数料改定で安くなる見込み
え!?手数料高くない?
経費率以外にインセンティブがあります
国内ETFは日本株と同様に「貸株」の設定をすることで、経費率が実質的に戻ってきます。
投資先 | 銘柄コード | 信託報酬 (税込) |
隠れコスト込み | 実質コスト |
S&P500 |
1557 |
0.0945% | 0.150% | 0.05% |
S&P500 | 1655 (ブラックロック) |
0.0770% | 0.132% | 0.032% |
S&P500 | 2558 (三菱UFJ) |
0.0770% | 0.132% | 0.032% |
S&P500 | 1547 (三菱UFJ) |
0.0858% | 0.141% | 0.041% |
国内ETFや日本株で設定できる「貸株」の恩恵
単純に経費だけ比較すると国内ETFの方が高くなりますが、「国内」というのがポイントで国内ETFは日本株と同様に貸株の設定をすることで銀行預金のように金利〔1〕が享受できます。
〔1〕貸株金利は所得区分の「雑所得」に分類されます。
実は外国株にも貸株設定が可能ですが、株式の多くの金利は0.01%と雀の涙ほどしかありません。一方、国内ETFであると最低でも0.1%の利子となりますし、SBI証券や楽天証券であると一度設定さえしてしまえば、配当日に自動で貸株解除となります。
投資信託にも「保有ポイント」あるよね
貸株に比べて小さいです
SBI証券で投資信託を保有していると、毎月「保有ポイント」が付与されます。だだし、信託報酬が小さいメジャーな「全世界株」「米国株」については、0.0415%/年、0.0336%/年と貸株金利に比べ小さいです。
貸株のデメリット
貸株を利用していない方へ向けて、貸株について勘違いしやすいポイントを解説します。
→いつでも売却可能です。
株主優待・配当金が得られないのでは?
→「株主優待・配当金 優先」設定を行えば優待・配当金が得られます
※配当金の優先設定しない場合でも、「配当金相当額」が雑所得で付与されます。
貸株に設定しても売却できるんだ!
国内ETFでは直接関係ありませんが、貸株には注意点もあります。
→貸式を全数貸株にしてしまうと継続でなくなる
証券会社の破綻リスクを負う
→証券会社が破綻した場合貸出し株式が返却されない可能性がある
国内ETFであれば、株式優待がありませんので、継続保有の資格など考慮の必要がありません。重要な点は配当金の権利付け最終日に貸株解除の設定となることのみです。
国内ETFのメリット・デメリット
国内ETFのメリットは前述したように、売買コストや為替コストの考慮が必要ないことに加えて、外国税額控除が所得に関係せず自動的に調整が行われるところです。
つまり、わざわざ確定申告で外国税額控除を適用させずとも、二重課税の調整が自動的にされています。※
※二重課税の調整が行われている商品一覧 >>二重課税調整ETF
デメリットは株式の時価総額が米国ETFに比べて小さく、流動性に不安となる商品がある。また、購入単価が大きい(5,000円)ため、配当金再投資を全額ETFへ投資することができません。
投資信託であれば100円から1円単位で投資が可能なため、国内ETFは大金の一括購入が適しています。
国内ETFと為替リスクのヘッジ
円建ての投資はヘッジになるの?
国内ETFは円で購入することから、外貨を所有していないと勘違いを起こしてしまいそうです。しかし、円建て(国内ETF)の投資商品でも海外へ投資している場合は、日本円のリスクヘッジとなっています。
購入する商品が「全世界」や「米国」であると、円で購入後にファンドがドルで購入してくれます。そのため、円安で日本円の価値が下がってしまっても、ドル資産で為替による資産の低減を防いでくれます。
国内ETFの種類
銘柄コード | 銘柄名 | 信託報酬 (税込) |
純資産総額 (億円) |
最小 購入代金 (円) |
二重課税調整
|
1547 (日興アセット) |
上場インデックスファンド 米国株式 |
0.1650% | 376 | 71,000 | × |
1557 |
SPDR® S&P500 ETF | 0.0945% | 603,000 | 65,650 | × |
1655 (ブラックロック) |
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF |
0.0770% | 584 | 4,720 | 〇 |
2558 (三菱UFJ) |
MAXIS米国株式(S&P500) 上場投信 |
0.0770% | 402 | 18,800 | 〇 |
2633 (野村アセット) |
NEXT FUNDS S&P 500 指数 (為替ヘッジなし) 連動型上場投信 |
0.0770% | 55 | 30,300 | 〇 |
米国株へ投資対象とするETFは種類が沢山あり、純資産額が大きい商品が投資するのに適しています。
この中でもブラックロックの「1655」が二重課税調整もあり、一株あたり単価も小さく投資しやすい商品となります。
しかし、この中でオススメでするETFは「2558」です。
なんで1655でないの?
マザーファンドから直接購入しているからです
「1655」は米国ETFのIVVを購入しています。その一方「2558」は直接銘柄を購入しています。そのため、ETFへ支払うコストがないからこちらをオススメしています。
銘柄コード | 銘柄名 | 信託報酬 (税込) |
純資産総額 (億円) |
最小 購入代金 (円) |
二重課税調整
|
1547 (三菱UFJ) |
MAXIS全世界株 | 0.0858% | 294 | 16,500 | 〇 |
全世界株は投資先が限定されています。純資産総額には若干の心配はありますが、新NISAによる恩恵で増額が期待できます。
国内ETFの利用方法
投資信託と違って国内ETFは「配当金を受け取ることができる」ことが大きなメリットであり、デメリットでもあります。
資産形成期では配当金は受け取らずに再投資した方が資産増加率が大きくなります。そのため、国内ETFが登場する場面は50代の人生の成熟期となります。
1655への投資は資産の増加を目指しながら、インカム収益が得られる投資手法となります。欲を言えば、VYMの国内ETF版の登場に期待して引退まで暫く待ちたいです。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
関連記事
米国ETFのコストを考える方法について解説しています。
「積立」投資でコストを比較しました。>>積立 投資信託 vs ETF
投資初心者が全世界株投資を選んだ方が良い理由について解説しています。>>全世界株投資 VS 米国株投資