円安でドルの購入を躊躇している
為替リスクが気になる
この悩みを解決する記事を書きました。
いざ、米国株を購入する時に気になるのが、『為替リスク』の壁です。
為替リスクの壁とは、一言でいうと為替差損のことです。
例えば、一ドル150円の時に米国株へ投資して、75円まで円高になってしまうと、株価が下落して無くても50%となってしまいます。
この記事では、過去のドル円レートを振り返り、損益分岐点を割り出して、為替リスクとの付き合い方を考察します。
もし、参考になったと思われたら、友人や親戚に “SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
投資と為替リスク
為替リスクに対する不安は「為替差損に対する元本割れ」を懸念しての事だと考えています。
通貨をドルへ転換して、投資を行うとリターン分だけ、為替差損が軽減します。
債券の損益分岐点
債券投資のメリットの一つに、将来の資金計画が立てやすい事があります。
特に、為替リスクを測る時の損益分岐点は、株式と比べて安心して計画を立てることが出来ます。
5%単利 | 資産価値 | 利息 | 損益分岐レート |
0年目 | 100 | 0% | 140 |
1年目 | 105 | 5% | 133.33 |
2年目 | 110 | 10% | 127.27 |
3年目 | 115 | 15% | 121.74 |
4年目 | 120 | 20% | 116.67 |
5年目 | 125 | 25% | 112.00 |
6年目 | 130 | 30% | 107.69 |
7年目 | 135 | 35% | 103.70 |
8年目 | 140 | 40% | 100.00 |
9年目 | 145 | 45% | 96.55 |
10年目 | 150 | 50% | 93.33 |
・単利運用となります
・資産価値100を基本として始めています。
※実際には、手数料や税金がかかるため分岐点は変わります
債券利回りが5%の商品を購入して、10年後の満期が来た時には為替レートが93.33円を割っていると為替差損が起きることになります。
実際には、税金が発生しますので、損益分岐レートは変更します。
しかし、債券は未来の収益が読みやすいので、長期保有が為替リスク減少になる事が大きなメリットとなります。
債券についてはこちらで詳しく解説しています。>>債券についてのまとめ記事
株の損益分岐点
株式投資の1年における変動率は約50%とかなり大きいですが、資産の増加を複利で考える事ができるメリットがあります。
5%単利 | 資産価値 | 利息 | 損益分岐レート |
0年目 | 100.00 | 0.00% | 140 |
1年目 | 105.00 | 5.00% | 133.33 |
2年目 | 110.25 | 10.25% | 126.98 |
3年目 | 115.76 | 15.76% | 120.94 |
4年目 | 121.55 | 21.55% | 115.18 |
5年目 | 127.63 | 27.63% | 109.69 |
6年目 | 134.01 | 34.01% | 104.47 |
7年目 | 140.71 | 40.71% | 99.50 |
8年目 | 147.75 | 47.75% | 94.75 |
9年目 | 155.13 | 55.13% | 90.25 |
10年目 | 162.89 | 62.89% | 85.95 |
・利回り5%の複利運用となります
・資産価値100を基本として始めています。
※実際には、手数料や税金・信託報酬がかかるため分岐点は変わります。
実際には、変動率が極めて大きいため、1年から10年の短期では、損益分岐レートを出すことは困難を極めます。
株式は15年以上の超長期保有の視点で変動率が落ち着くため、債券以上に保有する事が為替リスク低減に繋がります。
超長期の保有を可能とするためにも、「リスク許容度」の範囲内で投資が必要となります。
リスク許容度についてはこちらで解説しています。
株式指数で年利5%もあるの?
米国株式指数の場合はもっと大きいです
米国で一番メジャーな株式指数であるS&P500は1957年以来年率10.7%で推移しています。
ドル円の基本
「ドル円レートは読めないため、気にしない」これがドル円の基本スタンスとなります。
なぜ、この結論に行き着いたのか、過去の約25年の為替レートを確認してみましょう。
過去のドル円レート
約26年チャートの平均レートは110.34円となります。
現在の為替は148~150円ですので、平均レートと比較して円安となります。
平均より20%も高い…
この円安は一過性のものでない可能性があります。
ドル円の将来
日本の実態を見ると長期のトレンドは「円安」とみています。
海外投資家から見て日本に魅力が無いと、長期の円高方向へ動くことは有りません。
そのために、企業の生産性を高める必要があります
生産性を高めるためには人口増加が手っ取り早いですが、夫婦間の出生率が2.07を下回った40年前から人口増加への政策に着手する必要がありました。
後手となる政策から、改善の見通しがありません。
近年、AI技術の発展で人口減少をカバーすることが期待されています。この流れに乗るためには日本企業のAIへの取り組みが課題となります。
リストラ(レイオフ)が実行されても悲観することなく、AI技術者として雇用を受ける人口の増加が日本企業復活のカギになることも期待できます。
そもそも、為替ってなんで変動するの?
では、次に為替を変化させる4つの変動要因を見てみましょう。
為替の外部要因
為替を決める要因は非常に多く、その価格の推移を適切に予想するのはムリがあります。様々な変動要因の中でより強い因子を4つ記載します。
「実需」はある程度予想を立てれますが、投機家の考えを読もうとした時には、上の4つの他に人口動態や政治など様々な要因があり複雑です。
この複雑さが為替の変動が読めない理由となります。
為替の変動要因についてはこちらの記事で解説しています。>>為替リスクの4つの要因
ドルの動き
世界で最も取引量が多い通貨は「米ドル」です。
ドル円の傾向を予想する時に、日本円の強弱に注目するよりも、米ドルの強弱に注視する必要があります。
この数値が上昇すると円安となりやすいです。
他の方法はないの?
では次に、根本的に為替リスクを低減させる方法について解説します。
為替コストの低減策
通貨を外貨へ代える時に手数料が発生します。
海外で実際に使用するために両替を行う場合にはFXでの交換が最安となりますが、ここでは、投資のための両替について解説します。
ネット銀行を利用
ネット証券で円からドルへ両替する時に、1ドルに対して、25銭(0.25円)の手数料が発生します。
4,000$で1,000円かぁ
小さい積み重ねが、大きくなります。
25銭の手数料は、住信SBIネット銀行を使うことで約4分の1の6銭(0.06円)へ減らすことが出来ます。
更に、マネックス証券であれば、「円」から「ドル」への交換手数料が無料で行えます。
マネックス証券はこちらのリンクより為替手数料が確認できます。>>マネックス証券の為替手数料
マネックス証券を開設していない方はこちらから口座開設できます。>>マネックス証券口座開設
為替コストを無料にする
SBI証券・楽天証券では、2023年12月から為替コストを0銭まで下げました。
為替手数料無料となる取引は、「リアルタイム為替取引のみ」ですから、海外株などを円貨決済での買付、ドルMMF、米国株の配当金の円貨受取などは対象外となります。
・標準時間:月曜日 7時から翌朝5時30分
火~金曜日 6時から翌朝5時30分
・サマータイム:7時から翌朝6時30分
【楽天証券】
・標準時間:8時から翌朝6時
・サマータイム:8時から翌朝5時
このサービスと利用することで、「ドル転」「円転」のコストを削減して投資が行えます。
手数料を0円にするためには、株やETFを外貨決済で購入する必要がありますで、株を購入する前に事前に「ドル転」する必要があります。
新NISAとの親和性
2024年から「新NISA」が始まります。新NISAによる外国株購入枠は一年で240万円となり、外貨積立とマッチします。
新NISAについてはこちらで詳しく解説しています。
まとめ
為替変動を正確に予想するのは困難を極めます。しかし、為替リスクを低減させる手段は投資によって可能です。
他にも、「両替(ドル転)コストの削減」と「NISA制度を利用した税金縮小」が為替リスクを更に低減する効果があります。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
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