インドは生産年齢の人口が増加しております。20代、30代の若者が人口比率で多くなると、国内の消費が多くなります。
具体的には、国内のインフレが進んでいく中で、年を重ねる毎に賃金が上昇していけば、住宅建設や自動車購入に借金をしてでも所有しようと思います。これまでの、先進国の国内消費の傾向から容易に想像できます。
インドはこういった“人口ボーナス”が確実にある国です。人口ボーナスがあれば、着実に収益が増大することが見えている企業があります。それが、銀行となります。
今回は、インド国内最大の民間銀行であるHDFC銀行を分析します。
インドの銀行について
インドは国有銀行の再編が行われ、国有銀行26行(2016年)が6行へ。それから、現在は10行(2020年)ある国有銀行を4行に再編し、インドの国有企業は12行となった。
この背景があるからか、民間銀行であるHDFC銀行の総資産額が増加が進み、2位であるICIC銀行を追い抜くまでに伸長している。また、これからの銀行IT化を考えると、インド・ステイト銀行などの国有銀行では、支店数の多さが経営の足を引っ張りそうなのが容易に想像できます。
銀行が、着実に利益を伸ばすために、抑えておきたいのは、“長短金利差”と“不良債権比率”である。インドはアジアの中でもインドの不良債権比率の高さが目立つ。
ちなみに、日本の銀行業界は2002年3月期にBSに約40兆円もの不良債権を抱え、不良債権比率は8.4%もあった。
この事実からも、インド銀行業界が抱える不良債権比率が高い想像できるが、それでも、HDFC銀行については、将来に期待出来ると思える数字がこの次の資料です。
2015年から近年にかけて、国有企業の不良債権比率の増加が目立つ。しかし、民間銀行については、ほぼ増加していないため問題は少ないと考える。
ここから、導き出される答えは、民間銀行であれば投資を考えても問題は少ないということです。
HDFC銀行(HDB)基本データ
社 名 | HDFC Bank Limited. |
本 社 | インド ムンバイ |
ティッカー | HDB(NYSE) |
セクター | Financials |
決 算 | 3月 |
創 業 | 1994年 |
上 場 |
2001年(NYSE) |
事業内容
HDFC銀行は、インド国内に5,000超の支店を持つインド最大級の民間銀行です。PayZappというアプリで、クレジットカードとリンクして簡単に送金・支払いできるサービスも展開しております。
セグメント構成では、リテール(65.4%)およびホールセール部門(30.4%)はインドの中所得者および高所得者層の個人および企業に銀行業務サービスを提供しています。この内、ローン残高の60%以上が小売顧客向けであり、運転資金ローン、自動車融資が最も多く(リテール帳簿の73%を占める)、次いで、個人ローン(16%)、住宅ローン(11%)となっています。
HDB VS IBN
民間銀行で代表する銀行はHDFCバンクとICICIバンクです。
ICICIバンクは投資や生命保険・損害保険等のサービスに力を入れています。
HDB 実績
銀行のため、売上や営業利益率といわれる言葉は使いません。経常利益が右肩上がりで上昇しています。
この間に、国有銀行は合併がありましたが、HDFC銀行は着実に利益を伸ばしております。
ROEが左縦軸、ROAが右縦軸となります。
まとめ
インドは“人口ボーナス”がある国で、収益を上げる企業は銀行となります。国有銀行は数社再編が行われましたが、民間銀行は不良債権比率にある通り、優秀だと考えています。個人貸付残高で多くを占めるのは、自動車となっています。インドは経済の停滞がおこっています。このため、低金利政策が行われると、(住宅)不動産需要が増えるため、この分野での収益が増えると考えれます。
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