サクッと「経済のしくみ」が知りたい
サッと動画の内容を復習したい
もし、経済の仕組みについて理解することができれば、大きな経済の視点で投資判断を行なったり、大暴落に対して臨む姿勢ができます。
それにはレイダリオ氏の「30分でわかる経済のしくみ」が役立ちます。
この記事はレイダリオ氏の動画の要約となります。
さっそく、動画の主旨を記載します
なぜ、経済は直線的に増加していくのではなく、波のように良い時と悪い時が生まれてしまうのかと言うと、「ツケ払い」や「クレカ決済」などの支出の前借りがあるからです。
ちょっと、わかりにくいですね
わかりやすく解説します
経済を動かす三要素
経済を動かす要素は以下の3つに分けられます。
人の労働による生産力は工夫など知識の積み重ねで向上し、これは右肩上がりの直線的で表されます。
これに、クレジットが影響します。クレジットの影響は上がり下がりがある波のようになり、短期の小さい波と、超長期の大きい波がうまれます。
“クレジット”の影響
クレジットがなぜ、「波の動き」となるのか?また、クレジットが無い場合にはどういった経済の動きとなるのかを解説します。
では、はじめにクレジットの波の動きについて解説します。
クレジットについて
クレジットってなに?
「借金」のことです
私たちの生活は「クレカ決済」や住宅の売買など高額な支出に伴う「ローン」を組んでいます。
これは未来の支出の前借りとして「クレジット」つまり、信用で購入しています。直ぐにサービスや商品が手に入りますので波で言うと「上昇」の動きとなります。
一方、前借りは未来に返済すべき「借金」なので、未来の「下降」を形成します。
この波は短期的に重要なもので、人は「クレジット」を使うことで生産性を高めると経済を押し上げる効果があります。
逆に借金の返済が経済を下げる効果をうみます。
これに後述する「労働生産」の右肩上がりの直線を合わせると、下のような右肩上がりの波状のサイクルが生まれます。
直線的な労働生産性を継続することで、全体的に右上がりとなりますので、実質的な債務負担が軽くなります。
クレジットで生産性をより高めるほど負担が軽くなります
こうした効果がクレジットの利用を促進させ、経済の急速な発達をもたらしました。
クレジット利用による波は右肩上がりを継続することはなく、小さいもので5~8年、大きいものでは75~100年周期で繰り返されるようになります。
クレジットが無い世界
生産性は長期的に重要な役目を果たします
もし、クレジットが無ければ支出の前借りができませんから、収入はあなたの労働力で決定されます。あなたの消費が誰かの収入になりますから、全体としてゆっくりと経済は成長します。
経済の全てが個々の労働力により決定するので、工夫や発明で労働生産力を高めることが所得を増やす手段で、努力しなければその差は埋まらなくなります。
生産性の向上は軽く見られがちですが、最も重要で長期的に影響します。
クレジットが無いと、若くして高額な出費を行えませんので、「人類の知恵」としてクレジットが生まれました。
そうして現在では、クレジットはお金の約17倍以上に膨らんでいますから、お金と認識している大半はクレジットになります。
クレジット:約50兆ドル
※2013年時点の米国
FRBの金融政策
クレジットと生産性の向上がつづければ、借金の返済の実質負担が軽くなりますから、借り手はどんどんクレジットを活用して借金を膨らまして需要を増大させます。
需要が増えると”商品”や”サービス”の価格が上昇します。これをインフレと呼び、これの行き過ぎを抑えるために中央銀行が政策金利を上げ、間接的に貸し出す金利を上昇させます。
金利が上昇すると、借入者は借金額の膨張を抑えるために借り入れを抑制しようとします。これが需要の低下となり価格を安定化させます。
借金のほとんどが利払いだったら損した気分になるね
返済能力は変化しづらいから金利が上がれば借入は減少します
FRBによる政策金利の変更周期が概ね5~8年で行われるため、クレジットによる短期的な周期はこの期間と同じになります。
“恐慌”と”恐慌からの脱却”
経済恐慌の始まり
- Step1支出縮小
債務負担が生活に支障をきたすと支出の見直しが行われ、これが連鎖的する
- Step2資産の取崩し
借金返済のための資産売却が始まる
- Step3資産価値の暴落
資産売却が一斉に始まり需給が崩れ資産暴落が起きる
- Step4企業破綻の連鎖
銀行への担保が目減りして、貸し渋りが起き連鎖的に企業の破綻へと繋がる
自分ごとで考えるとわかりやすいです
あなたの生活が苦しくなると必然的に支出を削減させます。
「あなたの支出は誰かの収入」となりますから、誰かの収入が減ると、収入が減った誰かはあなたと同じように支出を制限しようとします。
これが連鎖的に起き、誰かが返済できなくなるほど債務が膨張していると恐慌へ繋がります。
恐慌からの回復
恐慌から回復するためには、4つの手段があります。
この手段はどれか一つだけ行うのではなく、複数もしくは全ての手段が尽くされて行われることになります。
- Case1支出縮小
政府、企業、個人において支出が縮小されます。
- Case2債務不履行と再編
「金利減少」や「返済期限」の延長もしくは「返済額の縮小」で負担を軽減します。
- Case3資産再配分
政府が増大した失業者へ手当する必要があり、財源として富裕層からの回収が行われます。
- Case4紙幣の増刷
”中央銀行”が増刷を行い、”政府”が公共事業などで国民全般へお金を供給します。
ケース1~3は債務を削減する働きがあります。
一方、「紙幣の増刷」については膨らみ過ぎた”債務”に対して”お金”を増やし、均衡を取る狙いのため、増刷する速度が債務の膨張ペースを超えるとハイパーインフレが起きる可能性があります。
回復には”中央銀行”と”政府”の協力が必須です
経済を保つ三大原則
所得より債務が増加すると、債務負担に耐えられなくなります。また、生産性より所得を早く増やさないことも、競争力を低下させないために重要です。
そして、最も大切なことは「生産性を向上させる」ということです。生産性が加速度的に大きくなれば債務膨張にも経済が耐えることができます。
「経済の仕組み」まとめ
経済の仕組みで最も大切なことを上げると、「生産性の向上」となります。
クレジットを使って消費を行っていても、借金の返済負担は変わりません。しかし、上手に生産性の向上に役立てると、後で支払う借金の負担軽減となります。
クレジットは、75年に一度の経済の大きな収縮をもたらしますが、クレジット活用によって私たちの生活を豊かにしました。
「人には”欲望”があるから、経済は成長していく」という考えを具体化すると、生活を楽にするために、所得を増やすインセンティブが働くからと言えます。
投資と同時に、生産性を上昇させる行動があなた自身を豊かにすることに繋がりますので、自分への投資を行なって生産性を向上させましょう。
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