「医療×IT」のスタートアップ企業ドクシミティ(DOCS)について分析しました。
ドクシミティ(ドキシミティ)は米国の医療関係者と患者を結ぶ、SNSプラットフォームを提供する米国のITスタートアップ企業です。
例えば、医者同士で、症例に関しての意見交換、最新の臨床ニュースなどの情報習得が行える。医者と患者間では、ビデオ通話などで遠隔診療が行えます。
ビジネスモデルを見れば見るほど、米国版 “エムスリー”と言えます。
ドクシミティ(DOCS)基本データ
社 名 | Doximity Inc |
本 社 | アメリカ カルフォルニア州 |
ティッカー | DOCS |
セクター | Technology:情報技術 |
創 立 | 2010年 |
上 場 | 2021年(NYSE) |
時価総額(USD) | 15.324 Bil(2021.8.27) |
事業内容
経営理念は”全ての医師の生産性を高め、患者により良いケアを提供すること”です。
登録された医師は 180万人を超え、全米の80%以上となります。医療従事者向けのサービスは3つ、いずれも無料で医師へ提供しております。
【医療従事者向け3つのサービス】
- Professional Network
医療従事者のプロフィールが登録しており、この情報を基に専門分野を検索し、患者の紹介をスムーズに出来ます。医師1人あたり平均50人以上とつながっているそうです。 - Newsfeed
パーソナライズされたニュースフィードが作成されます。 - Productivity
電子署名や遠隔医療サービスなどの業務効率化ツールを提供しています。
利益は、製薬会社やヘルスケア会社から得ています。以下の3つのサービスをサブスクリプションにて提供しています。
【製薬・ヘルスケア企業向け3つのサービス】
- Marketing Solutions
製薬会社や医療機関にアポイントメントを取るなど、マーケティングサービスを提供しています。 - Hiring Solutions
医療システムと医療系人材紹介会社の両方に、採用ソリューションを提供しています。このツールを使う事で医療専門分野を絞って、採用活動を展開できます。 - Telehealth
遠隔医療ソリューションを求める医療機関や病院にサブスプリプションで提供しています。
市場規模
同社が展開するサービスの市場規模は、$18.5Bilと推定されています。内訳は医薬品マーケティング $7.3Bil、医療求人関係 $6.9Bil、遠隔医療 $4.3Bilとされています。
下のキャプチャーにあるように同社の売上高は $207Milであり、成長できる余地は十分にあります。
ドクシミティの業績
スタートアップ企業のため、過去の情報が少ないです。売上高が前年比77.8%も増加し、既に黒字化を達成しています。
CFを見ると、営業キャッシュフローで得た利益を上手く投資に回しているのが分かります。
2021.Q2の決算では、3つの指数で予想値を上回りました。
売上高
・予想65.46Mil ➡72.7Mil
EPS
・予想0.06 ➡0.11
ガイダンス
・2021.Q3 コンセンサス66.09Mil ➡73Mil ~ 74Mil
・2022 コンセンサス66.09Mil ➡296.5Mil ~ 299.5Mil
純利益マージンが36%でかなり儲かるビジネスであり、翌日株価が30%超の暴騰しました。
エムスリーとの比較
エムスリーは2000年に創業された企業で、医師の転職支援や製薬企業から料金を徴収するビジネスモデルは、同社と同じです。
日本の医師総数 約32万人の内、エムスリー会員数は 30万人で、医療関係者の約92%が加入しています。(会員数は国際的に広がり550万人。日本医療者の比率は約5%)
エムスリーの売上高は1,692憶円( $1,538Mil)でドクシミティの約7倍となります。
米国の市場はどっちが握る?
プラットホーム事業は素早くシェアを広げた1社しか残らないのが、この世界の厳しい所です。
全米80%の会員数を誇る、ドクシミティか?
それとも、世界に550万人を超える会員数を誇るエムスリーか?
はたまた、オンライン診療分野で世界No.1のテラドックなどの違う企業となるのか?
今後の同社の成長に期待したい。
関連記事
シオノギ製薬について分析をしています。
NASDAQ100に組み入れられた、クラウドストライクも分析しています。
コメント