疑問がある方のために、記事を書きました。
IPOを予定しているKlarnaってどんな会社?という方のために記事を書きました。
今、欧米でブームを巻き起こしている決済方法”BNPL”。この決済手段はGAFAMの一つであるAmazon(AMZN)に実装されることが決まっており、実装されたら世界中に一気にブームが起きると予想されています。
この新しい決済手段”BNPL”で、注目のIPOを控えている企業があります。それが “Klarna” です。
Klarna は2022年または、2023年までに株式公開する意向をCEOにより語られました。
今回は、今後注目されることが必至のクラーナについて解説します。
クラーナの基本データ
社 名 | Klarna Bank AB |
本 社 | スウェーデン ストックホルム |
ティッカー | No data |
セクター | Technology:情報技術 |
創 立 | 2005年 |
上 場 | No data |
時価総額(USD) | No data |
事業内容
Klarnaは、消費者(以下、ユーザー)と販売店のオンライン支払を簡素化するというビジョンを持ってスウェーデンの地で創立しました。このサービスは現在のブームとなるBNPLを提供しています。
使用するユーザーはアプリを介してどこの店舗でも使用することが出来ますし、参加店舗のウェブサイトから直接利用することもできます。
提供サービス
ユーザーへは3つのサービスが用意されています。
4回払いプラン:商品の代金はそのままで2週間毎に支払う
後払いプラン:商品到着後、30日以内で支払えば無利子
(30日後にクレカ払いで実質2ヶ月間先延ばし可能)
長期分割プラン:6ヶ月~36ヶ月の分割返済
(6ヶ月であれば無利子で利用可能)
販売店側もメリットがあります。
ブランド品位:商品のディスカウントすればイメージが毀損される。分割払いの提示で、商品金額を下げずに販売できる
現金取引:即日入金というフォローアップがある
クラーナの業績
クラーナは、今ブームが巻き起こっている“BNPL”のパイオニアです。現在、注目されているスタートアップ企業のKlarna、Afterpay、Affirmの三社で最も創業が早かったのが Klarna で歴史が長く、発祥の地ヨーロッパで圧倒的なプレゼンスがあります。
10年前になりますが、2011年時点でスウェーデンにおけるEC決済の約40%がKlarnaを経由していました。同社は2019年に約350億ドルのオンライン決済を取り扱っています。
毎日クラーナを利用する取引が200万件あり、プラットフォーム上には9,000万人のアクティブユーザーと25万を超える販売Webサイトで支払いを処理しています。
フィンテックのグロース企業としては珍しく、クラーナは創業後14年に渡り、利益を上げてきました。しかし、ここ2年間は損失を出しています。CEOはこれに対し、「会社が拡大に向けて努力しているため、損失の進展に満足している」と語っていました。
BNPL市場と規制
クラーナ以外にも、BNPLへ参入する企業がいます。有名な競合企業はSezzle、Affirm、Afterpayが存在します。(Afterpayはスクエア(SQ)に買収予定) 時価総額を示すとSezzle は$1 Bil、Affirm は約$20 Bil、Afterpay は約$39 Bil とBNPLがひしめき合う中で、同社は$46 Bilの評価額を持つBNPL最大のプレーヤーとなります。
クラーナはBNPLのリーダーでありますが、オンライン決済市場ではPayPal、Apple、Stripeなどと比較して新参者です。そして、これらの大企業は新しい決済について動きを見せています。
2020年PayPalは独自の「Pay in 4」というサービスを開始しました。このサービスはクラーナとほぼ同じ機能です。AppleについもGoldman Sachsと提携して、BNPLサービスを行うとプレスがありました。
BNPL規制の動き
英国では2021.2に、金融サービスにおける規制当局はクラーナ、AfterPayなどにより普及したBNPL業界を規制するよう指示しました。
SNS上でも、イギリスの金融問題活動家であるアリス・タッパー氏に「#BNPLを規制せよ」と呼びかけが求められました。
オーストラリア国内でも規制強化の動きがあります。オーストラリア証券投資委員会(ASIC)やオーストラリア準備銀行(RBA)により意見聴取が始まるなどアメリカ以外では急成長にストップが掛かりそうです。
クラーナのIPOについて
IPOはアメリカにクラーナが拡大するにつれ見えてきます。クラーナはこれまで17ヶ国で事業を展開しています。
先にも記載しましたが、クラーナはヨーロッパで成功しており、最近アメリカでも地位を確立し始めました。
アメリカでは既に、2,000万人のユーザーが利用しており、クラーナは更に成長の計画を立てております。2020年にCEOのセバスチャン・シェミアトコフスキはアメリカに多額の投資を行っているとロイターに語っています。
最近の上場ではSPACが選ばれることがありましたが、クラーナはSPACでの上場を選択肢から外しています。IPO時期についてCEOは「IPOは今年起こる可能性を言及したが、思ったよりすぐに起こるでしょう」と語りましたが、最近になって財務責任者を雇用し、「上場前に彼が落ち着くのを待つ」と発表したため、2021年のIPOはなさそうです。
Special Purpose Acquisition Companyの頭文字を取ったもので”スパック”と呼ばれます。特別買収目的会社と訳され、仕組みとしては、ペーパーカンパニーを上場させ、その企業が未公開会社の買収を行い、実質的に上場させる仕組みです。これを利用することで、IPOにかける手続きが簡素で上場までの期間が短くてすみます。
まとめ
・クラーナはBNPLのパイオニアで、BNPL最大のリーダー
・最近は他のグロース企業と同様、利益より成長を優先している
・イギリスのように広まったら、規制が入る
それでは、また!
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